2012.06.03

【日本代表】遠藤保仁
「南アW杯もチームが崩壊するかどうか紙一重だった」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 説田浩之●撮影 photo by Setsuda Hiroyuki

最終予選とはいえ「気負わずにプレイしたい」と淡々と語る遠藤。 日本が属する最終予選のグループは、オーストラリア、イラク、オマーン、ヨルダンの5カ国で、定数2の椅子を争うことになる。この組み合せは、どうとらえているのだろうか。

「ヨルダンとか、アジアカップで苦戦した印象が強いようだけど、あのときは単に自分らの調子がイマイチだっただけ。ヨルダンの何が脅威かっていうと、そんなのないでしょ? オ-ストラリアとも何度も対戦しているんで、怖さはないよ。ただ、全試合で相手を圧倒して、予選を突破するというのは難しい。苦しんだほうがいいとは言わないけど、簡単にはいかないもの。だいたいオレは、内容はともかく、予選は突破するだけでいいと思っているからね。最初に気をつけないといけないのは、予選だから何か特別なことをしようという、変な気を起こさないこと。今までやってきたことを、いかに普通にやれるか。それに尽きると思う」

 遠藤の、その堂々とした話ぶりを目の当たりにすると、最終予選の勝ち方を熟知しているようで、思わず安心してしまう。だが、過去日本は予選の初戦ではことごとく苦戦している。ドイツW杯最終予選の北朝鮮戦(ホーム)は、大黒将志がロスタイムにゴ-ルを決めての辛勝だった。南アフリカW杯最終予選のバーレーン戦(アウェー)は、3-0とリードして楽勝と思われたが、土壇場で2ゴールを決められて追い詰められている。

 そして今回も、決して楽な戦いにはならないだろう。まして、遠藤曰く「戦うのが難しい」というホームである。

「ホームの初戦は、やっかいだね。相手も(守りを固めて)簡単にやらせてくれないし、ホームなんで『勝て! 攻めろ!』とスタジアム中から煽られる。それに乗せられて、点を取るために前がかりになって、カウンターで失点する。それが、最悪のパタ-ン。そりゃ、ホームで3-0で勝てればいいけど、そんなに簡単じゃない。前半0-0なら十分だし、何がいけないんだって感じ。オレはブーイングされても平気でバックパスをするし、横にも(パスを)流す。勝つために必要なことだからね。とにかく、初戦で気持ちが盛り上がって、イケイケで自爆するのはダメ。『かかって来いよ』というぐらいの気持ちで、どっしり構えて戦えばいい。日本は、イケイケのサッカーをやるチームじゃないんで、そこを(みんなが)感じられるかどうかだね」