【五輪代表】トゥーロン国際で得た、本番への糧となる2つの収穫 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 関塚監督は、オーバーエイジを含めた今後の選手選考について、「今の段階でどうこうというのはない」と多くを語らなかったが、エジプト戦の先発メンバーについては、次のように話している。

「(オランダ戦を)勝ちに持っていけたメンバーで、内容的にも非常によかった。今日勝たないと、あとふたつ(2試合)につながらない。これまでの2試合を見て、一番やれそうな選手で入った」

 来るロンドン五輪は、これまでのアジアレベルとは別次元の大会である。そこで結果を残そうと思えば、当然、それぞれの選手について「世界で戦えるか否か」を見極めておく必要がある。

 実際、4年前の北京五輪では、この大会に出場したことをきっかけに、アジア最終予選から大きくメンバーが入れ替わった。当時の反町康治監督は「トゥーロンがなければ、ここまでメンバーは変わらなかった」と話していたほどだ。

 もちろん、関塚監督が多くを語らない以上、その胸の内は想像することしかできないが、「世界で戦えるか否か」という新基準において、選手の評価にはかなりの変化が起きたのではないかと推察する。「このチームでプレイするのは1年ぶり」だという宇佐美を、あと1点がほしい試合で最後まで起用し続けたことは、その一端だろう。

 海外組をはじめとする新戦力が試され、彼らがそれ相応の活躍を見せた今大会。その意味において、このチームの新たな可能性が示されたことは間違いない。

 グループリーグで敗れはしたが、ロンドン五輪へ向け、少なからず期待の膨らんだ大会ではなかっただろうか。

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