【日本代表】ウズベキスタン戦の完敗でザックジャパンが失ったもの

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

効果的な動き出しで再三チャンスを生み出した岡崎慎司だったが、ウズベキスタンのハードなディフェンスを最後まで打ち破ることはできなかった。効果的な動き出しで再三チャンスを生み出した岡崎慎司だったが、ウズベキスタンのハードなディフェンスを最後まで打ち破ることはできなかった。 試合後、報道陣の質問に答える長谷部誠の強張った表情が、敗戦のショックを物語っていた。

「慢心していたわけじゃないが、アジアは甘くないと突きつけられた」

 W杯アジア3次予選最終戦。日本はホームゲームでありながら、ウズベキスタンから1点も奪うことができず、0-1で敗れた。これでウズベキスタンの後塵(こうじん)を拝し、グループ2位通過が決定した。

 完敗である。

 確かに前半こそ、パスはつながっていたし、それなりに攻めてはいた。しかし、決定的なチャンスは、22分に岡崎慎司のシュートがクロスバーにはじかれた場面くらい。後半の早い時間(54分)に先制されると、その後は、攻撃のリズムが悪くなる一方だった。

 決してウズベキスタンの出来が良かったわけではない。攻撃を進めるに十分なスペースを与えてくれていたし、実際に、日本はそれを生かしてパスをつなごうとしていた。

 だが、あまりにもミスが多かった。

 象徴的なのは、この日、トップ下に入った香川真司だ。トラップをミスしたり、ドリブルが大きくなったりと、広大なスペースを与えてもらいながら、背番号10が攻撃にブレーキをかけるシーンが目立った。

 また、自身が、「今日は余裕がなかった。ゴールが求められるポジションなのに、効果的なプレイができていなかった」と振り返ったように、プレイの選択も常に弱気で、ドルトムントでなら自ら勝負に行くような場面でも、簡単にパスで"逃げる"ことも多かった。

 もちろん、問題は香川だけではない。

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