2012.01.01

【日本代表】福田・名波・三浦淳が語る「ザッケローニ監督が取り組む3-4-3の可能性」

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • 益田佑一●文 photo by Masuda Yuichi

3-4-3の厳しい現状を分析する名波氏。3-4-3の厳しい現状を分析する名波氏。 名波 目指しているところは、決して(FIFAクラブW杯を制した)バルセロナの3-4-3のイメージではないだろうね。バルサの「4」の両サイドは自由に動き回っているけれども、ザッケローニ監督からはそういう意図はまったく感じられない。完全に右サイドと左サイドを固定してやっているからね。

福田 バルサの3-4-3は、バルセロナにしかできないだろうね。すべての選手の能力が高いから実践できて、ポジションが入れ替わってもそのポジションを埋めるだけの戦術眼を、誰もが持っている。だから、ボールを取られた後も、決してバランスを崩さない。

三浦 ザッケローニ監督は、どうして3-4-3にこだわるのでしょう?

名波 イタリアのクラブで指揮をとっていた頃の、成功体験があるからだと思う。

福田 監督としては、いろんな戦術を持っておきたい、というのもあると思う。なぜかと言うと、サッカーは必ず対戦相手のいるスポーツ。その相手に対して、何がいちばん有効な戦い方だろうかと考えた場合、どんな戦術、どんな選手を使うか、という選択を迫られる。そこで、違う戦い方を持っていれば、監督としても心強い。ザッケローニ監督の場合、それが3-4-3。自分の考え方を伝えて表現しやすい、得意な形なのだと思う。それに、4-2-3-1の戦い方はある程度計算ができるから、何か支障があれば、そこに戻せばいい。ただ、練習を見ていると、守備の仕方などは相当に細かい。これまではクラブチームでやってきたからできたかもしれないけど、代表ではそこまでの時間が取れないだけに、実践するまでにはかなり時間がかかるのではないだろうか。

フリューゲルス時代に実践していた3-4-3について語る三浦氏。フリューゲルス時代に実践していた3-4-3について語る三浦氏。 ――三浦さんは、横浜フリューゲルスでレシャック監督が指揮をとっていたときに3-4-3をやっていましたが、実践するのはやはり難しかったですか?

三浦 ザッケローニ監督の3-4-3とはちょっと違って、あのときは前線の3人が割とインサイドに絞ってやっていました。そうしないと、サイドハーフがうまく機能しなかったからです。それで、最初のうちはなかなかうまく実践できませんでしたけど、継続してやっていくうちに、ボールがスムーズに動くようになって、チャンスも作れるようになりました。でもあれは、Jリーグのチームだからこそ、実現できたのではないでしょうか。福田さんが言うように、(選手が)一緒に練習する時間が少ない代表でチャレンジするのは大変だと思います。

 また、3-4-3をやっているときの試合を外から見ていると、選手たちはメンタル的にもかなりつらそうな感じがします。うまくいかなければ、当然メディアでも叩かれる。そういう報道を受けて「これはうまくいかない」「窮屈だ」というイメージが、選手の中でも膨らんでいるような気がします。実践することへの気持ちよりも、そういう意識が先行してしまっているから、余計にうまくいかないのではないでしょうか。