【高校野球】投手か打者か、それとも二刀流か 山梨学院・菰田陽生に見る13年前の大谷翔平との符合
怪童の「変化」は、言葉にも表れていた。
今秋の関東大会での試合後、報道陣から「今後も二刀流で上を目指すか?」と問われた菰田陽生(こもだ・はるき/山梨学院2年)は、こう答えている。
「そこは全然考えていなくて、まずは自分の野球をして、チームに貢献できるようなプレースタイルでいきたいと思います」
関東大会準々決勝の浦和学院戦で特大の本塁打を放った山梨学院・菰田陽生 photo by Kikuchi Takahiroこの記事に関連する写真を見る
【関東大会で打率5割超えの大爆発】
今までなら、二刀流に関する質問が飛ぶと、「大谷翔平選手(ドジャース)みたいになっていきたい」と、強い二刀流への意志を示してきた。だが、今秋の菰田の発言は、いくつかの解釈を生みそうだ。
二刀流志向からトーンダウンしたとも取れる。今秋から主将を務めており、自分のことよりチームを最優先に考えているとも取れる。
いささか気が早いが、2026年のドラフト戦線は今のところ3人の高校生が最前線にいる。織田翔希(横浜2年)、末吉良丞(沖縄尚学2年)、そして菰田である。菰田は身長194センチ、体重100キロと圧巻の巨躯の持ち主で、投打に高い資質を持っている。菰田が二刀流としてプロに進む意思を持ち続けるかは、来季のドラフト戦線を左右するかもしれない。
とはいえ、今夏の時点では最速152キロを計測する本格派投手としての評価のほうが高かった。打者としては甲子園での4試合で7安打を放ったものの、任された打順は7番。コンタクト能力も高いとはいえず、山梨学院首脳陣からの評価も辛(から)かった。菰田自身も「バッティングはまだまだ全然」と、甲子園の試合後に語っている。
しかし、今夏の甲子園準決勝(沖縄尚学戦)で右ヒジ痛を発症したことで、風向きが変わった。その後は秋の関東大会までマウンドに上がることなく、野手に専念。菰田は「バッティング中心の練習になって、バッティング練習でもいい形で打てるようになりました」と明かす。
今秋の関東大会では、投手としては2試合4イニングの登板に留まったのに対し、打者としては3試合で打率.583、1本塁打、7打点と大暴れした。とくに鮮烈な印象を残したのは、10月20日、浦和学院との準々決勝で放った本塁打だった。
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著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。




























