村上宗隆が5打席連続本塁打の日本記録。取材ノートから紐解く「村神様」の覚悟に指揮官は「只者じゃなかった」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Sankei Visual

── 松山では初めて地獄のキャンプを体験しました。

「もうプロ野球選手ですので、1年目とか、初めてとかは関係ないと思っています。練習についていくとかではなく、自分で考えてしっかり行動しようと。一軍で打つためにはどうすればいいのかを考えながらやってきました。このあと台湾でのウインターリーグにも参加しますし、そこでも感じる部分があると思うので、またしっかり練習して、来年の2月を迎えたいです」

2年目の超ハードメニュー

 迎えた2年目は、一軍キャンプ(沖縄・浦添)スタートとなった。

「まずは開幕一軍、次にレギュラーを目標にします」

 村上はキャンプ終盤にそう語っていたが、有言実行してみせた。この年、全試合に出場し、36本塁打を放って新人王にも輝いた。なにより驚かされたのが、体の頑丈さだった。シーズン中は若手主体の早出練習でバットを振りこみ、それが終われば守備練習をして、その後にチーム全体練習に参加していた。

 シーズン中に高卒2年目の選手がフル出場しながら、ハードな練習をこなすことは大変ではないか......そう聞くと「全然すごいとは思ってないです」と、村上は淡々と語った。

「プロに入れば年齢は関係ないですし、野球をしているからにはレギュラーとして試合に出たい。弱音というか、練習が厳しいから試合に集中できないというのはないです。(キャンプ時に)今の姿を思い描いていたというよりは、僕はいつでも"できる"と信じてやっているので。最初からダメだという気持ちはまったくないですし、とにかく1日を、目の前の試合を、目の前の打席をしっかり集中してやっていこうと。今は毎日、野球のことばかり考えています」

 村上はこの年も、秋のフェニックスリーグに参加。驚異的な成長を遂げた2年目をこう振り返っていた。

「喜びと悔しさを秤にかけたら、悔しさのほうが大きいです。三振もエラーも多くて、チームに迷惑をかけてしまいました。そこに尽きます。でも今シーズンはもう終わったことなので、来年に向けて新たな気持ちでやるしかないと思っています」

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