高木豊が大混戦パ・リーグの6球団を分析。前半戦を見て「最も優勝の可能性を感じる」チームは? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

西武は中継ぎ陣が向上

――次は、高木さんが開幕前に優勝を予想していた西武。その予想の理由として投手陣の安定と、山川穂高選手の活躍を示唆していましたが、その通りになりましたね。

高木 ルーキーの隅田知一郎(1勝7敗)、佐藤隼輔(3勝3敗)がもう少し勝ち星を伸ばせると思っていたんですが、相手チームのローテーションや巡り合わせなどを考えるとちょっと苦しかったなと。ただ、2人とも試合はある程度作っていましたし、後半戦のキーマンになる可能性はあります。

 山川は復活するとは思っていましたが、予想以上でしたね。源田壮亮が右足骨挫傷、森友哉が右手骨折とソフトバンクと同じようにケガ人が多く、1番が固定できないままなのは厳しいですが、山川がドシッと4番に座ってくれているので打線を組みやすくなっていると思います。

――チーム防御率2.51はリーグトップ。ここ数年は打線が目立つチームでしたが、今年は投手陣が頑張っています。

高木 特に中継ぎがよくなりましたね。平良海馬や増田達至を筆頭に、本田圭佑、水上由伸、森脇亮介、佐々木健らが頑張っていて安定感があります。疲れもあってか、平良が調子を崩して3試合連続で失点することもありましたけど、増田が戻ってくるでしょうし、大きく崩れることは考えにくい。

 少し気になるのは、一度首位に立った時に中継ぎが崩れたこと。今後の優勝争いによる精神的な負担に耐えていけるかが課題です。

――中継ぎがいいだけに、先発投手陣の出来が勝敗のカギを握りそうですね。

高木 そうですね。髙橋光成、與座海人、(ディートリック・)エンスらはもちろん、後半戦は7月に戻ってきた今井達也に期待したいです。復帰後の3試合はまずまずの内容でしたし、そこに隅田と佐藤が絡んでいければ安定感が増すと思います。

――次に楽天。4月から5月にかけて球団記録の11連勝をマークし、貯金は一時「18」まで膨らみましたが、その後に失速。現在は貯金「2」のリーグ3位です。

高木 田中将大になかなか白星がつかず、則本昴大と岸孝之もここ最近は勝てなくなり、早川隆久がコンディション不良と、計算していた投手たちが思うように白星を重ねられていませんね。あとは、チーム構成のバランスが悪い。左打者が多すぎますよ。

 7月17日のオリックス戦では、相手の左腕・田嶋大樹と炭谷銀仁朗の相性がいいということで、炭谷を7番DHで先発起用しました。ただ、使うのであれば、腹をくくってクリーンナップの5番あたりを打たせるなどしないと点が入りません。炭谷はその試合で3安打だったものの、8番に入っていた左の辰己涼介がチャンスを活かせませんでした。

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