カープレジェンドOB・高橋慶彦に聞く「秋山加入効果、小園海斗の成長度、後半戦のキーマン」 (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Sankei Visual

── 広島と言えば、機動力野球のイメージがあります。それが今は実践できていないと?

「野球というスポーツは、相手にいろんなことを考えさせないといけない。たとえば、ノーアウト一塁でいろんな作戦が考えられるわけだけど、そこで何もせずにただ打つだけだったら、相手にしてみればこれほどラクなことはない。バントの構えをするだけでも、十分にプレッシャーになるのに、それをする選手も少ない。失敗を恐れて動かないのはもったいない。たとえ失敗したとしても、今年の広島は仕掛けてくると思わせるだけでも十分。それが、シーズンが進むにつれてボディブローのように効いてくる」

── 高橋さんの現役時代はいろんなことを仕掛けていた?

「盗塁も多かったけど、それだけじゃなかったからね。バントもあったし、エンドランもあったし、常にダイヤモンドを駆け回っていたよね。オレらがいろんなことを仕掛けてくるから、相手の守備位置も変わってくる。前進守備になればそれだけヒットゾーンが広がるわけだし。そうして試合を動かしていくのが野球の面白さだよね」

── 1番に高橋さん、2番に正田耕三さん、3番に山崎隆造さんとスイッチヒッターが3人並ぶ打線は、相手にとっては相当プレッシャーになったと思います。

「いま考えても、すごい並びだよね。ピッチャーは嫌だったと思うよ。もちろん、この時代と同じような野球をする必要はないと思うけど、ファンのほうが『カープの野球は足を使う』というのが染みついているよね。だから今のカープの野球を見て、物足りなく映っているファンは多いかもしれないね」

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後半戦のキーマンは?

── 6月には秋山翔吾選手が加入しました。

「チームにとってものすごく大きいよね。メジャーではケガもあって、思うような結果は残せなかったけど、実績は十分。彼が加わったことによって、打線に厚みが出たのはもちろん、野球に対する姿勢や取り組みなど、若手にとってはそうした部分でも影響を受けるんじゃないかな」

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