阪神の大逆転優勝はあるのか。OB濱中治が考える戦い方「カギはドライチトリオになる」

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

「11」のゲーム差を縮めるために

――あらためて、後半戦に向けての戦い方を伺いたいと思います。前編で述べたように、まずは投手陣については死角ナシといったところでしょうか?

濱中 投手陣については間違いなくいいです。先発は青柳を中心に、先ほど名前を挙げた伊藤、ガンケルがいて、西勇輝、(アーロン・)ウィルカーソンはいずれもクオリティ・スタートが期待できるし、きちんと試合を作れます。そこに、今年復活した才木浩人や、藤浪晋太郎、秋山拓巳などが加わってくれば、かなり厚みが出ます。投手力に関しては12球団の中でも随一ですね。

――中継ぎ陣は、前編で話があったラウル・アルカンタラ、岩貞祐太、ケラー、湯浅京己、岩崎優投手らが控えますね。

濱中 先発投手陣が長いイニングを投げられる上に、中継ぎ陣のコマもそろっています。この点に関しては心配はいりません。タイガースの場合はとにかく打線がカギになると思いますね。前半戦だけで17回も完封負けを喫しているのは大問題です。ヤクルトの場合、打線が爆発して中継ぎ投手陣を休ませる試合が多いですよね。タイガースでも、夏場にかけてはそういう試合が重要になるでしょう。

――打線のキーマンは誰でしょうか?

濱中 やっぱり、四番と五番、佐藤輝明と大山悠輔ですよ。そこに三番、もしくは一番を任されることになる近本光司の"ドライチトリオ"がカギになるでしょうね。やっぱり、佐藤と大山にはホームランがある。一発の魅力は大きいですから、彼らがいかに爆発できるかが、タイガースがさらに浮上するための大きなポイントになります。

――ここに、新加入のロドリゲス選手がどのように絡んでくるかも注目ですね。

濱中 一番・中野拓夢、二番・島田海吏、三番・近本と続けば、相手バッテリーとしては足を警戒しなければいけない嫌な打線になります。その後に佐藤、大山、ロドリゲスが機能すれば理想です。でも、仮にロドリゲスが機能しない中で一番に近本を持ってきても、僕はかなりいい打線が完成すると思っています。いずれにしても、タイガースの課題は打線。彼らが奮起すれば、ヤクルトを追い上げることは十分に可能だと思います。

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