交流戦でパのエースが苦戦。清水直行が称賛するセの強打者と、村上宗隆が「ちょっと抜けたな」と感じた瞬間

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News,Sankei Visual

――交流戦MVPのヤクルト・村上選手に関しては、6月10日に行なわれたソフトバンク戦で4回に千賀投手から打ったホームランが驚愕でした。内角低めの157kmの直球を逆方向へ弾き返し、PayPayドーム左翼のホームランテラスを越えてスタンドまで運んでいます。

清水 千賀のインローの真っ直ぐを、左打者が逆方向へ放り込むなんて想像もつかないですよね(笑)。今、パ・リーグで村上と同じような打撃ができる選手はいない。あえて挙げれば柳田悠岐とか吉田正尚になるんだと思いますが、逆方向に右打者が引っ張ったような弾道でしたからね......。打たれた千賀も呆然とした表情をしていましたが、驚くのもうなずけます。

――村上選手の逆方向のホームランといえば、5月29日の楽天戦で、松井裕樹投手から放った一発も印象的でした。松井投手は今季初の被弾でした。

清水 真ん中低めの150km近くの真っ直ぐを、左中間スタンドの中段まで運びましたね。松井が投げた変化球は2球目のスライダーだけで、あとは真っ直ぐで押して追い込んでいたのですが、逆方向にあそこまで飛ばされたら村上を褒めるしかありません。

――6月11日のソフトバンク戦では、6回に嘉弥真新也投手の内角低めのスライダーを拾って逆転の満塁本塁打。普段は対戦がない、変則左腕から繰り出される難しい球にも村上選手はアジャストしました。

清水 村上の粘り勝ちで、技術の高さも感じさせるバッティングでした。多くの強打者がいる中でも、「村上だけちょっと抜けたな」という感じがします。もちろん、岡本や牧、佐藤もすごいです。彼らは、パ・リーグのスーパーエース級の投手と対戦するとなっても、まったく臆することなく自信を持って対応していました。今後も交流戦や日本シリーズで対戦が見られることを楽しみにしています。

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