交流戦でパッとしなかったパ・リーグ。高木豊が指摘する各チームの課題と「浮上しそうな球団」は? (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

オリックス・杉本とT-岡田の復活

――続けて、西武も同じく9勝9敗でしたが、山川穂高選手が6本塁打をマークするなど存在感を放ち、交流戦期間のチーム防御率が2.60と安定しました。

高木 僕は春先、「西武は投手王国になる」と言っていたんですが、本当に投手が頑張っている。ただ、守りのミスが失点につながるケースが多かったですね。もう少し守備の意識を高めないと、投手陣の足を引っ張ることになります。

 髙橋光成(4勝6敗)と隅田知一郎(1勝7敗)が勝てないですね。特に髙橋はエースなのでもう少し勝たないと。6月10日の広島戦で5失点したように、最近は炎上するシーンも見られます。例えばチームが5点を取った試合は、何としても4点までに抑えてチームを勝たせなければいけない。
 
 あと、野手も頑張ってルーキーの隅田に勝ちをつけてやらないと。隅田はせっかくいいものを持っていますが、今のままでは成長できません。

――野手では、若林楽人選手が5月31日の阪神戦で368日ぶりの復帰。さっそくヒットを打ち、盗塁を決めるなど元気な姿を見せていました。

高木 若林が1番に固定できて、2番に源田壮亮が入れば足を使えます。長打を打てる打者も多いですし、投手も安定しているので、今後はかなり期待できると思います。

 心配なのは、ケガ人が戻ってきた途端に、またケガ人が出ること。源田が戻ってきたら呉念庭が自打球で外れるとかね。だから、いかにケガ人を出さないかがポイントになると思います。

――次に交流戦は8勝10敗だったオリックス。交流戦は6連勝をした後に5連敗でフィニッシュ。浮き沈みが激しかった印象ですが、杉本裕太郎が打率.391のハイアベレージで交流戦の首位打者に。主砲の復調は明るい材料ですね。

高木 杉本にとっては、T-岡田が戻ってきたことも大きいでしょう。吉田正尚も離脱していた中で、ひとりで打線を背負ってしまっていた感がありましたが、T-岡田がいると負担が軽減されます。同じようなタイプの打者なので話も合うでしょうし、悩みも聞いてくれる"兄貴分"の存在は心強いはず。投手陣が安定しているだけに、リーグ再開後にもう少し打てるようになれば浮上していくと思います。

 投手は頑張っていますが、若い野手が多いゆえの経験不足もあってか、西武と同じようにミスで投手の足を引っ張るシーンが散見されます。昨年にゴールデングラブ賞を受賞した宗佑磨が暴投したり、捕手がセカンドに投げたらヘルメットに当てちゃったり......。とにかくミスが多いですよ。

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