高木豊がセ・リーグの交流戦を総括。最下位の広島が「真っ先にやめたほうがいい」起用法、ヤクルト追走の一番手の球団とは? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

巨人は捨て試合が作れない

――リーグ戦が再開されますが、ヤクルトのキーマンを挙げるとすれば?

高木 小川泰弘ですね。6月10日のソフトバンク戦では千賀滉大と投げ合って勝ちましたが、彼は今後も相手チームのエースと投げ合っていくことになると思うので、そこで勝ちを重ねていけたらより盤石になります。

 あとは、リリーフの田口麗斗でしょうか。開幕からここまで21試合に登板し、自責点ゼロ。イニングの頭からいく清水昇や(スコット・)マクガフらとは違って、彼は走者がいる厳しい場面で投げることが多いじゃないですか。出番が決まっていないなかでの調整は大変だと思いますが、それでも結果を残しています。無失点が続くリリーフ陣の中でも、彼の存在は大きいですよ。

――現在リーグ2位の巨人は、8勝10敗と負け越しました。

高木 投手の頭数が足りないですよね。若手投手の状態があまりよくなくて、リリーフ陣も「持つのかな」と思っていたので、借金2は想定の範囲内ではありました。むしろ、よく踏みとどまったほうだと思います。

――打線は、坂本勇人選手が6月9日の西武戦で戦列に復帰。4番の岡本和真選手が16打点を挙げ、1番の丸佳浩選手は出塁率.395など活躍しました。

高木 やってくれないと困る選手たちですからね。坂本は存在感が重要なので、活躍するかどうかも大事ですが、もうケガをしないでほしい。丸にはこのまま1番を任せるのか、打順を変えるのかということも気になります。

――巨人がヤクルトと渡り合っていくためのポイントは?

高木 まずは投手力を充実させることですが、打線にも課題はあります。ヤクルトと違って、巨人は主要どころ以外の打順が不確定ですよね? レギュラーの選手が増えてこないと、ヤクルトと渡り合うのは厳しいでしょう。

 それと、メリハリをつけること。巨人は「"捨て試合"が作れない」と言われていて、無駄に投手を使ってしまったりしがちです。休ませる時はしっかり休ませることも必要。今年はどの球団もケガ人が多いですが、できるだけ疲れを残さないために、完全に負け試合になってしまった時はレギュラーを引っ込める判断も必要だと思います。

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