広島・遠藤淳志が「もったいない」から5年目に本格化。佐々岡監督も惚れ込む才能は4本柱を脅かせるか (3ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • photo by Koike Yoshihiro

 遠藤をあまり褒めようとしない指揮官から、自然とその名前が出たことがあった。ドリュー・アンダーソンが好投し2勝目を挙げ、チームも3連勝となった5月22日の中日戦後、先発投手陣の安定感について聞かれた時だった。

「遠藤を含めて6人がね。しっかりと試合をつくってくれているので、こういう試合ができている」

 直近の試合では完封目前に降板して3敗目を喫した右腕の名前をあえて出したことに、指揮官の思いが感じられた。

「入団した時から、僕の持ち味は真っすぐだと(言ってくれた)。悪かった時は厳しく、そして優しく接してくれる。2年目に一軍に上がった時は"チルドレン"と言われ、結果を残そうと思った。あれから期待に応えられていない。今年はしっかり結果を残すことで恩返しになるのかなと思っています」

 危機感とともに走り続けるシーズンの先に、指揮官から成長を認められた言葉をかけられるかもしれない。

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