山﨑武司が厳選した「対決が嫌だった」投手5人。野村克也監督に「今日は外して下さい」と頼んだ1位は? (3ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei
  • photo by Kyodo News

【1位:杉内俊哉(ソフトバンク、巨人)】

 杉内は真っ先に思い浮かびました。正直、現役時代は顔を見るのも嫌で、まったく打てる気がしませんでした。楽天時代には、杉内が先発する試合前に、野村(克也)監督に「今日は外して下さい」と頼んだこともあります(笑)。それくらい打てなかった。チェンジアップの抜け球や、スライダーが浮いたボールといった失投くらいしか打てた記憶がありません。

 杉内はフォームに力感がないからか、差し込まれて振り遅れてしまう。急速表示は140キロ台半ばですが、こちらの体感的には常に150キロオーバー。あんなに優しい顔をして、ピッチングはガンガン内角をエグってきて強気でしたしね(笑)。

 変化球も、スライダーはアウトコースのボールゾーンから、インコースまで食い込んでくるキレがあった。あと、チェンジアップは全然"ボールが来ない"。ストレートと合わせて組み立てられると、お手上げでしたね。プロ生活のなかで「打席に立ちたくない」と思った投手は杉内だけです。

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