佐々木朗希は五十嵐亮太から見ても「欠点はない」。交流戦での攻略へ、セ・リーグ球団がやるべきことは? (2ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

技術面もメンタル面も、欠点が見つからない

――結果的に段階を経て、プロで活躍する体作りをしてきたということですね。

五十嵐 佐々木投手に限らず、プロで活躍する体力作り、体の使い方を、監督とコーチとじっくりと練り上げていったのだと思います。これは僕の持論なんですけど、佐々木投手の場合、ピッチングの際に踏み込んだ左足が「L」の字になるんです。これはオリックスの山本由伸投手、ソフトバンクの千賀滉大投手など一流のピッチャーに共通することで、股関節が柔らかくて内旋が利くピッチャーは体の使い方が上手ですよね。

――佐々木投手は、4月に一度ファームに落として休養を取らせた上で、ゴールデンウィークに一軍昇格。その後は中6日のローテーションを守り続けています。

五十嵐 首脳陣が、佐々木投手の球数をきちんと意識していますね。僕は先発投手ではなかったので断言はできないけど、「必ずしも休養を取ればいい」というわけではなくて、ピッチャーによってはコンスタントに投げ続けたほうが調子がいいピッチャーもいます。けれども佐々木投手の場合は、さっきも言ったように、ペナントレースを戦い抜くと同時に、その先のプロ野球人生を見据えた調整方法を模索している気がします。

――現状、何か欠点のようなものは見つかりませんか?

五十嵐 欠点? うーん......。「メンタル面かな?」とも思ったんですけど、彼はメンタル面もすごく強いんです。完全試合を達成したオリックス戦を思い出しても、彼は最終回の9回を、わずか7球で終えているんです。「完全試合」という大記録に対して、プレッシャーを感じていなかったということなんですよ。

――大記録達成を目前にしても、動じていなかったということですね。

五十嵐 そうです。普通は、そんな大記録を前にしたら動揺したり、欲が出てきたりするものです。しかし彼はむしろ、その日一番の平然とした状態で最終回を迎えて、そして見事に抑えています。やっぱり並ではないですが、それはスピードの件もそうです。

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