高木豊のパ・リーグ新助っ人診断。唯一の「×評価」だった球団は? (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

オリックス【○】

《新外国人助っ人》

●ジェシー・ビドル(投手:左投げ)

●ジェイコブ・ワゲスパック(投手:右投げ)

●ブレイビック・バレラ(内野手:両打ち)

※取材時点でワゲスパックは一軍での出場がなかったため、評価を省略。

「ビドルはスライダーやカーブ、ツーシームと球種が多彩ですし、特にカーブは落差もあって有効です。ここまでセットアッパーとして十分な働きを見せています。先発投手であれば、打者は1試合で3打席、4打席と対戦するので対応ができたりするのですが、セットアッパーなので当たっても1打席です。そうなると、次の試合で当たった時に他の球種を見せられたりして打者は微妙に悩まされます。

 あと、どの球種を投げる時も投球フォームが同じなので球種がバレにくいですね。メジャーでは99試合に救援登板していたようですが、その経験は伊達じゃないですし、簡単に打てる投手ではないですよ。

 バレラは内外野を守れますし、スイッチヒッターというのが貴重な存在です。開幕直後はそこそこ打っていましたが、以降は日本の投手の攻めに苦しんでいる様子が見られますね。ただ、器用な選手なので慣れてきた時が楽しみです」

ロッテ【×】

《新外国人助っ人》

●タイロン・ゲレーロ(投手:右投げ)

「ゲレーロは球に力はあって角度もあるものの、制球に難があります。投球の8割が真っすぐですが、そのほとんどが外角なんです。たまにシュート回転して右打者の内角とか、ちょっと引っかかって左打者の内角にいくときがありますけど、基本的に外角を待っていれば1打席の中で2球は来ます。打者からすれば、的が絞りやすいですよね。

 だけど、それぐらいの制球力しかないので、結局は打者の打ち損じを待つしかありません。日本人の打者はボール球を振ってくれませんし、ストライクゾーンの中でもいいコースに投げないと抑えられないんですよね。現状では投球を組み立てられていませんが、逆にそれができるようになれば簡単には打たれませんし、8割の力で抑えられる投手だと思います」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る