高木豊のパ・リーグ新助っ人診断。唯一の「×評価」だった球団は?

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

 セ・リーグに比べて、すでに出場機会を増やしている新外国人選手が多いパ・リーグ。投手、野手ともにさまざまなタイプの選手がいるが、セ・リーグ編に続き、高木豊氏に球団ごとに【◎、〇、△、×】の4段階で評価してもらった。

※高木氏に取材した時点で一軍での出場がない選手、出場試合数が少ない選手は評価を省略。また、育成選手は評価の対象外。

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楽天【○】

《新外国人助っ人》

●ホセ・マルモレホス(外野手:左打ち)

●クリス・ギッテンス(内野手:右打ち)

「マルモレホスはホームランをガンガン打つタイプではありませんが、広角に打てるのがいいですね。ただ、日本人打者にもいるようなタイプなので、ホームランが少なくて打率が低くなると、試合に出られなくなる可能性が高くなります。本人がどうのこうのというよりも、楽天は左打者が多いですから。

 だから、ある程度の打率を残せるか、ホームランであれば20本以上打てるか、というところが起用を続ける上での基準になると思います。ただ、20本を打てるかというと疑問なんですよね。『打率は.250ぐらいでいいからホームランを25本打ってくれ』とお願いしたほうがいいと思います。どちらを取るかですが、チームに残りたいんだったら、やはりホームランだと思います。

 ギッテンスは昨年までの映像を見ていると、逆方向にホームランを打つ印象があるんです。日本の投手の球を引きつけて逆方向に運ぶバッティングを期待していたのですが、早々にケガをしてしまったのは残念でした。特に楽天には少ない右打者ですし、復帰したら頑張ってほしいですね」

ソフトバンク【△】

《新外国人助っ人》

●タイラー・チャットウッド(投手:右投げ)

●フレディ・ガルビス(内野手:両打ち)

※取材時点でチャットウッドは一軍での出場がないため、評価を省略。

「ガルビスは開幕戦でいきなり満塁ホームランを打って、自身のハードルを上げてしまいましたね。だけど、パ・リーグの投手たちを打つのは簡単じゃないですし、日本の野球への慣れも必要です。僕個人としては、実力がないわけではないと思います。あの満塁ホームランの勢いが開幕直後の連勝につながりましたしね。

 ただ、使われ方などでしっくりいっていない部分もあるんじゃないかと。やはり得意なショートで起用したほうが彼の野球のリズムに合っていて、バッティングにも好影響を与えるんじゃないかなと思うんですけどね。そのあたりはチームの事情があるので、起用法については我慢するしかないんですが。

 あと、ガルビスに限ったことではないですが、外国人選手は最初から100%で開幕を迎えず、徐々に調子を上げていけばいいという感じです。そういう意味では、慣れていくまでに少し時間が必要かなと思います」

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