山本昌が占うセ・リーグの今後。首位・巨人を追撃するのは? 阪神の優勝はまだ可能か? (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Koike Yoshihiro

 そんななか、ジャイアンツを追う1番手は昨年の覇者・スワローズだと思います。なんと言っても打ちますから。狭い神宮球場で、打撃戦はお手のものというチームです。

 ジャイアンツと同じで、メンバー的にも若手、中堅、ベテランとバランスがとれています。青木宣親がいて、山田哲人がいて、村上宗隆がいる。塩見泰隆が昨年からレギュラーに定着し、今年はショートの長岡秀樹が出てきました。正捕手の中村悠平はケガで出遅れましたが、ここにきてようやく戻ってきました。

 外国人では、開幕から好調だったドミンゴ・サンタナが下半身のコンディション不良で4月中旬に再検査でアメリカに帰国しましたが、東京五輪に同国代表として出場したパトリック・キブレハンを獲得しました。

 ピッチャーに目を移すと、奥川恭伸が3月29日のジャイアンツ戦で投げたあと、コンディション不良で抹消されました。同級生の佐々木朗希(ロッテ)があれだけ頑張っているから、本人としても気にしているでしょう。早く戻ってきてほしいところです。

 それでも高津臣吾監督はピッチャー出身で、やりくりのうまさをすごく感じます。開幕直後はジャイアンツに3連敗するなど不安な戦いが続きましたが、すぐに立て直してきました。さすが昨年の日本一チームだけあって、やはり力はあります。

 現在、巨人が首位を走っていますが、故障者が出たり戦力は万全ではありません。まだまだ混戦は続くと思いますし、開幕で大きく出遅れた阪神もチャンスはあります。いずれにしても、5月、6月の戦いで今シーズンの勢力図が見えてくると思います。

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