山﨑武司が「僕ならブチ切れてる」という選手も起用。我慢強い中日・立浪和義監督の采配、投打のキーマンも語った

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei
  • photo by photo by Sankei Visual

山﨑武司から見た今年のドラゴンズ 後編

(前編:石川昂弥は「今のフォームでは長打を打てない」。若手野手たちを徹底分析>>)

 決して高くなかったシーズン前の下馬評を覆し、現在Aクラスにつけている立浪ドラゴンズ。若手の躍動、接戦をものにするチーム力と、昨季までと比べて明るい要素も多い。

 レジェンドを新監督に迎えたチームの現在地をどう評価すべきなのか。後編では、OBの山﨑武司氏が立浪采配、投手陣、チームの変化、課題、シーズン展望を語り尽くした。

ホームランを打った京田を迎える立浪監督(中央)ら首脳陣ホームランを打った京田を迎える立浪監督(中央)ら首脳陣この記事に関連する写真を見る***

――まだ開幕してひと月も経っていませんが、これまでの"立浪野球"のカラーをどう感じますか?

山﨑武司(以下:山崎) まだいろいろ試しながらやっている、というか選手の力を見極めようとしているな、と感じます。1軍、2軍の入れ替えも盛んで「選手個々の力を見ている段階かな」と。それでも観ていてストレスを感じさせるような采配はなく、わりと基本に忠実な野球をやっている印象です。

 選手をその気にさせるのはうまいですね。例えば平田良介です。彼にとっては今年が勝負の年で、シーズン前からそういった意識を植えつけて、状態を見極めながら戦力として計算できる起用をしている。選手とのコミュニケーションや距離感がいいんだと思います。あとは、我慢強い監督でもあると思います。

――我慢強いとは?

山﨑 選手起用についてです。なかなか結果が出なかった石川昂弥を使い続けたことや、調子が上がってこなかったダヤン・ビシエドや木下拓哉の起用、京田も我慢して使っている。特に京田ですね。数字だけでなくて、打撃内容がひどすぎる。ああいう凡退をしてなおかつ暗い、というのはチームの雰囲気を悪くします。もし僕が打撃コーチだったらブチ切れてますよ(笑)。

 立浪監督は主軸を担うべき選手を定めて、そこを信用する力があると思います。ただ、それでも京田に関してはどこまで我慢できるかでしょうね。あれだけ毎試合フォームを変えていたら、そりゃ打てませんよ。正直、今の状態なら他の選手を試したほうがいいとは思いますが......。

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