南原清隆が栗山英樹監督に聞く侍ジャパンでの決意。勝つための決断ができないなら「監督をやめなさいと思っている」 (2ページ目)

  • GET SPORTS evolve編集部/文化工房 B-books●文
  • タイコウクニヨシ●撮影

南原 自分に問いかけて「いける!」となったということですか。

栗山 「いける!」というよりも、野球に対して、あまりにも申し訳ないというか、情けないというか......そういう思いがありました。日本ハムの監督になった初めの5年間(2012年にリーグ優勝、2016年に日本一)のことは完全に頭の中から消えているんです。あとの5年間(2018年が3位、2017年と2019年以降は5位)はダメダメな監督として過ごしてしまった。このまま終わってもいいのか......悶々とした思いはありました。

南原 なるほど。

栗山 悔しさを晴らすチャンスを野球が与えてくれたのかもしれない。そう考えて、「僕でいいんですか」という思いもありますが、「もう一回野球ができるのならやるべきだ!」となりました。今ならもう一度、全力で野球ができる。

侍ジャパン・栗山監督侍ジャパン・栗山監督

南原 日本ハムの監督時代は、ある意味"フィールドディレクター"でした。球団側が用意した選手の能力を最大限に引き出して、チームを勝利に導くのが仕事だったと思いますが、今回はちょっと違って、選手を選ぶ立場ですよね。

栗山 監督時代、チームが苦しい時には記者たちと、「ダルビッシュ有、田中将大、大谷翔平、菊池雄星、前田健太というローテーションを組めたらなぁ」なんて話をしてたんです。今回は、それができる可能性があるわけじゃないですか。でも、選ぶほうになったら、そんなに簡単なものじゃないことがよくわかりました。

南原 「いいピッチャーを順番に起用すればいいじゃん」と思いますが、そうじゃないんですか?

栗山 本当に大変なんです。だけど、ナンチャンが言ったみたいな感覚を持たないといけないなと思いますね。責任ばかりが大きくてなりすぎて。「テレビゲームで勝ってやろう」というくらいの遊び心がないと、苦しすぎますね。

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