ロッテ新人捕手・松川虎生の能力をOB清水直行が絶賛。「観察眼」と「嗅覚」が佐々木朗希の完全試合を実現させた

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

清水直行が語るロッテ新人捕手・松川虎生(前編)

 4月10日のオリックス戦、ロッテの佐々木朗希がプロ野球史上20歳5カ月の史上最年少で完全試合を達成。同試合では新記録となる13者連続三振、タイ記録となる19奪三振もマークするなど、前代未聞の投球で世の中を震撼させた。

 そんな記録の達成に大きく貢献したのが、バッテリーを組んだ18歳の松川虎生。なぜプロ入り間もない高卒の新人捕手が、球史に残る偉業達成をアシストできたのか。長年にわたりロッテのエースとして活躍した清水直行に聞いた。

佐々木(右)の完全試合をリードした捕手の松川佐々木(右)の完全試合をリードした捕手の松川この記事に関連する写真を見る***

 同試合で佐々木・松川のバッテリーは、テンポよく積極的にストライクゾーンに投げ込み、常に有利なカウントで打者を圧倒。奪った19個の三振のうち、4球以内での三振は11個を数えた。

「やはり大前提として、ストライク先行のほうが絶対に有利です。その意識が松川の頭の中にあるんでしょう。カーブのような緩い変化球でひとつポンッとストライクを取る大胆さ、度胸のよさもある。ファーストストライクをどんな形でも取っていくというところが、今はできているのかなと思います。

 相手が打つ気満々で、ボールから入らなきゃいけないシーンもあるのですが、その際も普通にボール球を投げさせるのではなく、ストライクからボールになる球で振らせてみたり。そういった観察眼も優れていて、打者をよく見ているという印象です」

 配球面で光る部分を見せる松川だが、「捕手として必要な、基本的な能力がすでに備わっていることが大きい」と清水は言う。

「捕手として身につけておかなければいけない技術は、キャッチングとスローイング。松川は高校時代(市和歌山)から小園(健太・横浜DeNAベイスターズ)の150km超えの球をたくさん受けてきていることもあって、ある程度キャッチングには自信があると思うんです。スローイングに関しても捕ってからが素早いですし、盗塁を刺せる自信があるんでしょうね。

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