「長嶋茂雄超え」と「清原和博超え」。中村剛也が稀代のスラッガーであることを証明する2つの大記録

  • 水道博●文 text by Sui
  • photo by Koike Yoshihiro

「おかわり君」こと中村剛也(西武)の注目すべき記録がある。それが「通算本塁打」と「通算三振」である。

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長嶋茂雄超えまであと3本

 通算2000安打は、2021年に達成した栗山巧(西武)まで過去54人を数えるが、通算400本塁打は20人。さらに500本塁打以上となると、わずか8人しかない。

(1) 王 貞治/868本
(2) 野村克也/657本
(3) 門田博光/567本
(4) 山本浩二/536本
(5) 清原和博/525本
(6) 落合博満/510本
(7) 張本勲/504本
(8) 衣笠祥雄/504本
(9) 大杉勝男/486本
(10) 金本知憲/476本
(11) 田淵幸一/474本
(12) 土井正博/465本
(13) タフィー・ローズ/464本
(14) 長嶋茂雄/444本
(15) 中村剛也/442本
(16) 秋山幸二/437本
(17) 小久保裕紀/413本
(18) 阿部慎之助/406本
(19) 中村紀洋/404本
(20) 山﨑武司/403本

 ここまで(2022年4月14日現在)中村の本塁打数は442本で、もちろん目指すは史上9人目となる500号到達である。だが、その前にあと2本打てば通算444号の長嶋茂雄に並ぶことになる。

 長嶋は首位打者6回、最多安打10回、本塁打王2回の中距離打者であったが、444本塁打はプロ野球選手にとって「ミスターに並ぶ」という特別なことを意味する。

 中村は王(15回)、野村(9回)に次ぐ6回の本塁打王に輝いている。セ・パ分立後、72年の歴史で「40本以上で本塁打王」になった飛ばし屋は、セ・リーグが11人、パ・リーグは9人しかいない。そのなかでも王は11回、野村は4回、40本以上で本塁打王のタイトルを獲得しているが、中村も門田、山本と並ぶ3回を記録。そういう意味で、中村は生来の「ホームラン・アーチスト」と言える。

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