20年前、ロッテの開幕12連敗を阻止した清水直行が語る、阪神の現状と「借金返済」のために必要なこと

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

今の阪神は「それほどひどくない」

――広島戦、その後の巨人戦では僅差の試合が多かったですね。

清水 そうですね。広島戦では2-3で負けた試合が2試合、巨人戦でも1点差負けが2試合ありました。勝ちきれなかったり、追いつけなかったりという試合が重なって、それがチームの雰囲気をさらに重くしていったのかもしれません。そのうちの1試合でも勝てていたら、もう少し勝ち星も増えたと思います。

――2002年のロッテの状況と比べてどうですか?

清水 先ほども言ったように当時のロッテは打線の状態が悪く、投手陣も粘り切れない試合が続いていました。その状態に比べると、今の阪神はそれほどひどくはありません。ここ数年の課題だったエラーも少ないですしね(チーム失策数はリーグ最少の3個/4月5日時点)。痛い場面で一発を浴びたり、接戦で落とす試合はありますが、一方的に負けることが多かった当時のロッテとはやはり違います。

 苦境を打開するポイントは、とにかく投手陣が踏ん張るしかないかなと思っていましたが、西勇輝がナイスピッチングで連敗を止めましたね。開幕からの9連敗は相当しんどかったと思いますし、連敗中は首脳陣も選手たちも含めて重たい雰囲気だったでしょうが、「これから」という感じになったかなと思います。

――当時のロッテは連敗をストップした試合以降、ひとつの引き分けを挟んで5連勝しています。最終的な順位も、借金5のリーグ4位でフィニッシュしており、ある程度巻き返しました。その要因は?

清水 連敗が止まった時は、みんな肩の力が抜けました。肩の力が抜けると固さが取れて、いいプレーにつながります。連敗が止まるまでは苦しかったですが、気持ちの上でひとつの区切りになったことが大きかったですね。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る