真中満「ヤクルト連覇の可能性は60%」。村上宗隆ら打線を分析、投手陣の不安要素も語った

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Kyodo News

先発投手は質量ともに大充実

ーー先発投手陣についてはどう見ていますか?

真中 先発陣はそろっていると思いますよ。昨年の日本シリーズ全6戦で6人が先発を経験した。大舞台で奥川、高橋が好投を見せたことで、少しくすぶっていた原樹理にもいい刺激となったし、若手が頑張れば小川泰弘や高梨裕稔だって、ベテランの石川雅規だって発奮するから、チーム全体に好影響をもたらしたと思います。そこに金久保優斗にサイスニードも加わって、新外国人のスアレスやコールが活躍することがあれば、先発陣には何も不安はないと思います。

ーー確かに、数年前がウソのようにグッと厚みを増した顔ぶれとなりました。伊藤智仁ピッチングコーチは「左の中継ぎが田口麗斗しかいない」と発言していましたが、この点はどうお考えですか?

真中
 確かに、左の中継ぎは現状では田口と、坂本光士郎ぐらいだけど、たとえ右ピッチャーでも、結果的に左バッターを抑えれば何の問題もないわけでしょ。左右のバランスがいいほうが首脳陣としては使いやすいけど、結果だけを考えるのならば今の右の中継ぎ陣でも十分抑えることができる。伊藤コーチはぜいたくを言っているんですよ。理想を言い出したら、キリがないから(笑)。

ーーキャッチャー陣はいかがでしょう? 中村悠平選手が、あの古田敦也さんの背番号《27》を受け継いだことが大きな話題となっています。

真中
 髙津監督としては「正捕手は中村」というのが基本線だと思うし、僕も当然それでいいと思います。その一方で、キャンプ、オープン戦で注目を集めている内山壮真にも期待したいですね。ただ、彼をベンチに座らせておくのはとてももったいない。だから、中村のサブとして古賀優大を一軍に帯同させて、内山はファームで実戦をみっちりと経験させてあげたほうがいいと思いますね。

ーー今季からは嶋基宏選手が兼任コーチ補佐となったことで、まだプロ2年目の内山選手は二軍で鍛えるということになるかもしれないですね。内山選手の魅力とは、どのあたりにありますか?

真中 やっぱり、バッティングですよ。小柄だけどパンチ力はあるし、バットがしっかり振れる。キャッチャーとしてはまだまだ配球、キャッチングに課題はあるけど、スローイングを見ても野球センスを感じさせるので、期待の逸材であるのは間違いないです。

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