ヤクルト清水昇が松坂大輔、藤川球児、古田敦也を質問攻めに。金言を胸に挑むNPB史上初の快挙 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 また清水は、テレビ番組の収録で訪れた藤川氏にも質問攻勢をかけた。

「『藤川さんのようなストレートを投げたいです』と言ったところ、『今のままで大丈夫だよ』と。『フォーム自体もすごく理にかなっているから、投げていても疲れないでしょ』と話してくださって、うれしかったです。ほかにもいろいろ質問させてもらったなかで、『低めに投げることがすべてじゃない時代だから』とも教えてもらいました。そこでどういう球を投げるのか、どういう変化球を投げるのかというのを、もっともっと練習しなさいと」

 古田臨時コーチにはブルペンで2度ボールを受けてもらい、多くの助言をもらった。

「自分にとって本当にありがたい、宝物のような言葉をいただきました。内容については、胸にしまっておきます(笑)。今年のキャンプではいろいろな方からアドバイスをもらいましたが、それに満足するのではなく、今までの経験と重ね合わせながら、自分に必要なものと、今は引き出しとして取っておくもの......それを分けていこうかなと思っています」

待望のプロ初勝利

 球界の大先輩に質問することについて、清水は「話しかけづらかったですが......」と言って、こう続けた。

「結果を出された方がいるのに、聞かないのはもったいないことですよね。そして、質問に答えてくれたのは、僕が結果を出したからということもあったと思うんです。たとえば、1年目だったり、自分のピッチングを見てもらえていない人に聞いても『まだ若いから、まずは今までやってきたことをやっていけばいいよ』となりがちですよね。

 今回、松坂さんに『清水くんはどういうボールが投げたいの』と聞かれて答えると、『僕も清水くんにそういう球種があればプラスになると思っていた』と言ってくださいました。これは僕のピッチングを見てくれていたからこそ、少し踏み込んだ答えをくれたと思うんです。そういう意味では目立つことは大事かなと思います」

 昨シーズン、清水は72試合に登板し50ホールドを積み重ね、2年連続で最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。また、待望のプロ初勝利と初セーブも記録。オールスターにも選出された。

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