2022.03.14

「名球会入り」投手の難しさ。ミスター完投、昭和・平成の怪物、炎のストッパーさえも達成できなかった

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

250セーブ達成はわずか3人

「記録の神様」である宇佐美徹也氏と並び称された元パ・リーグの記録部長・千葉功氏に、以前こう尋ねたことがある。

「ストッパーの地位が確立され、いずれ名球会に入るとしたら、セーブ数を何勝に換算するのが妥当でしょうか?」

 すると千葉氏は、悩んだ末に「0.5勝かな......」と答えた。つまり、名球会資格である200勝になるには400セーブが必要になるということである。結局、2003年に名球会が新たに加えた基準は通算250セーブだったが、その基準に達したのもこれまで3人しかおらず、この記録も達成が容易でないことがわかる。

 その3人とは、岩瀬仁紀(元中日/407セーブ)、佐々木主浩(元横浜など/381セーブ)、高津臣吾(元ヤクルトなど/313セーブ)。阪神の守護神として一時代を築いた藤川球児は日米通算245セーブ、「幕張の防波堤」の異名をとった小林雅英(元ロッテなど)は234セーブと、250セーブまであと少しのところまで迫りながら達成できなかった。
※佐々木、高津は日米通算記録

 彼らの無念を晴らすべく、虎視眈々と250セーブ達成を目指している現役選手は、日米通算193セーブの平野佳寿(オリックス)、通算170セーブの山﨑康晃(DeNA)、通算165セーブの松井裕樹(楽天)である。最も250セーブに近い平野は、昨年オリックスに復帰して29セーブを挙げるなど25年ぶりのリーグ制覇に貢献したが、今年で38歳。年齢との戦いになりそうだ。

 最後に、上原浩治(元巨人など)が2018年7月に日米通算100勝100セーブ100ホールド(最終的に134勝128セーブ104ホールド)を達成し、「名球会の基準を変えるべき」との意見が出た。この記録は、メジャーでもトム・ゴードン(138勝158セーブ110ホールド)しかいないなど、世界的快挙である。上原のように、先発としてもリリーフとしても活躍した投手はほかにもいる。200勝、250セーブだけでなく、新たな基準を設けてもいいと思うのだが......。

 いずれにせよ、2010年以降、打者の名球会入りが19人なのに対し、投手はわずか2名。そのことからも投手の名球会入りは以前よりも増して難しくなっていることは、紛れもない事実である。

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