DeNA東克樹「えっ、このタイミングで?」。突然の通告に「開幕投手は正装してホテルに呼び出されるのかと...」 (2ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Isizuka Takashi
  • photo by Sankei Visual

「正直に言えば、いつかはやってみたいという思いはありました。でも、実力的にまだまだだと感じていたので、何年先になるかわからないなといったイメージでした。ただ、三浦監督から『今年1年、ローテーションをしっかりと守ってくれ』と言われましたし、僕がしっかりとベイスターズの投手陣を引っ張っていくつもりでやらなければいけないと感じています」

 立場が人を育てる──今年27歳になるサウスポーは、投手陣の中心となるべく自覚を持ってマウンドへと向かう。開幕一軍は新人王を獲得した2018年シーズン以来となる。

「久しぶりに開幕から一軍スタートするわけですけど、当然ですがルーキーイヤーとは気持ちがまったく違います。責任を持ちながら、自分のピッチングをしたいと思います」

 昨シーズン、10月23日の中日戦で729日ぶりの復活勝利を挙げた東だが、そのピッチングは明らかに進化を遂げていた。

 今季、オープン戦での登板機会は少ないものの、スピンの効いた独特の強いストレートを軸に、昨季から活用しているカットボール、そしてカーブ、さらに以前から使っていた120〜130キロ代のチェンジアップに加え、自主トレをともにした中日の笠原祥太郎から習得した110キロ台の遅いチェンジアップを駆使し、奥行きのあるピッチングを見せている。気づいたのは、入団以来投げていたスライダーを使わなくなったことだ。

「たしかにスライダーはほとんど投げることがなくなりましたね。ゾーンからゾーンに甘く入った時に打たれるケースがあったので、今は細かく動かしつつ、奥行きを意識したピッチングを心がけています。状態は上がってきていますし、あとはどれだけ実戦で感覚を戻して長いイニングを投げられるか。僕の今年の目標のひとつは規定投球回数をクリアすること。ですから、最低でも6イニング以上は年間を通して投げるようにしないと」

 また気になっていたのが、笠原らと自主トレをした時、東は滝行を敢行したのだが、その際、ビルドアップした上半身の分厚さが尋常ではなかったことだ。リハビリ期間も筋量を増やすことを念頭に置きトレーニングをしてきた東だが、昨年よりも体が大きくなったように感じられる。

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