いざ常勝軍団へ。ロッテ・井口監督が明かす令和のデータ野球「すごい時代になりましたよ」 (3ページ目)

  • 村瀬秀信●文 text by Murase Hidenobu
  • photo by Chiba Lotte Marines

なぜ優勝を逃したのか

── 井口監督ご自身は、このオフの間に何を考えて過ごされていたのですか?

「本当にあと一歩、143試合の141試合目で優勝を逃したわけですから、そりゃあ......悔しかったですけどね。オフの間も、基本的にはずっと家にこもって昨年のビデオを全部見返していました。アナリストから出してもらったデータと照らし合わせながら、『この場面ではどうすればよかったのか』『次このような場面がきたらどうすればいいのだろう......』とかね、作戦の反省をしたり、悔やんだりしながら、過ごしていましたよ」

── なぜ優勝を逃してしまったのか、総括することはできましたか。

「シーズン最後の大事な試合を落としてしまったこともありますが、それまでにも勝てる試合をとりこぼしてしまっていたこと。そこの"あと一歩"を詰めるためには、やはり選手同士の細かい連携であったり、1点を大事に、投手であれば1球を大切にしていかなければならないですよね。今シーズンは、これをもう一回しっかりやろうと、はじめのミーティングで全員に確認しました。僕が監督になった最初の年からずっと言っていることですが『このチームは束になって戦わないと勝てない』ということです」

── 昨年マリーンズのチーム打率はリーグ5位の2割3分9厘ながら、得点はリーグトップ。1試合あたり4点とれる打線は、"束になる意識"が浸透し、井口監督が理想とする"選手がやるべきことをやる野球"に形が近づいているのではないでしょうか?

「そうですね。数字を見ても、選手たちの意識はかなり上がってきたかなって感じます。ただ、優勝するにはもっと大きな束にしていかなければならない。そのためには、一人ひとりの能力をもっと上げていくこと。まあ理想というのは、ホームランをどんどん打ってガンガン点をとってくれたら監督としてはありがたいんですけど、現状でホームランは外国人頼み。その分、足を使える強みがあるので、一人ひとりが粘っこく戦って、接戦に持ち込めば勝てるというね。そういう自信も徐々についてきたんじゃないでしょうか」

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