DeNA大田泰示「簡単にわりきれるものではなかった」。日ハムとの別れと新天地での決意を語った (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by 産経新聞社

若手選手にとっての「いい兄貴」に

 チームに貢献するという意味においては、結果を残すことが第一だが、今年32歳になる大田にはもうひとつ役割が求められる。ベイスターズは、牧秀悟や森敬斗ら若い選手が多い。かつて、大田が若い時、菅野を始め、亀井善行、長野久義、相川亮二らからいろんな言葉をかけてもらい成長したように、ベイスターズではおとなしい若手らに声をかけたり、相談に乗るなどの役割も担うことになりそうだ。

「先輩たちには本当にお世話になりましたからね。亀井さんには1年目2軍にいた時、食事によく連れて行ってもらっていろんな話をしましたし、長野さんは本当にいい兄貴みたいな人でロッカーが近かったのでよく話をしました。相川さんにはトレードが決まったあと、いいスイングを持っているんだから自信を持ってと言ってくださって、そういう先輩たちの声が本当に大きな力になりました。僕は今年プロ14年目で多少、経験もあります。ベイスターズは若い選手が多く、調子が狂うと考え込んでしまう選手もいると思うのでいろいろ声をかけていきたいですね。逆に話しかけてくれればなんでも話しますし、オープンにコミュニケーションを取っていきたいと思っています」

 2022年、チームのスローガンは、「横浜反撃」だ。それは、今年の大田の気持ちにも通じるものがある。

「チームも僕も昨年は悔しい思いをしたので、今シーズンはチームとともに僕も反撃をしていきたい。3割30本が最上級の自分の目標ですが、選手でいるかぎり、そこを目指して突き詰めていきたいと思います」

 チームの最大の目標はリーグ優勝だ。今年は、その先も面白くなりそうだ。大田が活躍して、ベイスターズを優勝に導き、クライマックスシリーズを勝ち抜いた先の日本シリーズで新庄監督が率いる古巣との対戦が実現すれば大いに盛り上がるだろう。

「いやぁーそれは夢ですね(笑)。それが現実となるように、一人ひとりが頑張っていかないといけないですし、僕もその場に立てるように結果を残していきたい。そうして球界が盛り上がればいいですし、シーズンが終わったあと、横浜がすごい盛り上がりで終われるようにしたいと思っています」

FMヨコハマ『日立システムズエンジニアリングサービス LANDMARK SPORTS HEROES

毎週日曜日 15:30〜16:00

スポーツジャーナリスト・佐藤俊とモリタニブンペイが、毎回、旬なアスリートにインタビューするスポーツドキュメンタリー。
強みは機動力と取材力。長年、野球、サッカー、バスケットボール、陸上、水泳、卓球など幅広く取材を続けてきた二人のノウハウと人脈を生かし、スポーツの本質に迫ります。
ケガや挫折、さまざまな苦難をものともせず挑戦を続け、夢を追い続けるスポーツヒーローの姿を通じて、リスナーの皆さんに元気と勇気をお届けします。

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