片岡篤史二軍監督が語る石川昂弥らへの期待。中日から「全国区のスター選手になってもらいたい」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • 小嶋裕●撮影 photo by Kojima Yutaka

石川の目標となる打者は?

――石川選手は「モノが違う」と評されることが多いですが、片岡さんの評価はいかがですか?

片岡 石川が話題になることが多いのは、ホームランを期待できるからですよね。中日の課題は長打力。バンテリンドームという投手が有利な球場を本拠地にしていることもあるんですけど、得点能力が上がらないと順位も上がりません。

 ただ、素材がすばらしい選手はこれまでにたくさん見てきました。石川はケガで長期離脱している期間がありましたよね。しっかり体ができてケガをせずに1年間出られるようになってくれば、その後の方向性が見えてくると思います。やはり「無事是名馬」と言われるように、1年間143試合に出られないことには、この世界でレギュラーになれません。ケガを予防することは大事だし、そういう意識を持ってもらうことを伝えていかなければなりません。

中村コーチ(左)から指導を受ける石川 photo by Sankei Visual中村コーチ(左)から指導を受ける石川 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る――まずは毎日試合に出られる体力を含めた体づくりが必要なわけですね。

片岡 それに加え、継続する気力も大事です。「やれ」と言えば、みんな2、3日か1週間くらいはやるんですよ。人によってはそれが半年だったり、1年だったり違うと思いますが、「今日は体調がいいからいつもより練習を多くしよう」「今日はやめておこう」ではなく、決めたことを継続することが、シーズンを通じて活躍できることにつながると思うんです。

 右バッターの石川は、広島の鈴木(誠也)や巨人の岡本(和真)が目標になると思います。内野手ということを考えれば、岡本やヤクルトの村上(宗隆)くらいの選手になることを目指してほしいですね。やはり右のホームランバッターだった中村紀洋打撃コーチから得られるものも多いはずですし、石川のようなタイプは、実戦のなかで結果を出して成長していかなきゃいけないと思います。

――石川選手の他にも、さまざまなタイプの選手が虎視眈々とレギュラーの座を狙っていますね。

片岡 岡林(勇希)や三好(大倫)もそうですし、昨年のドラフト2位の鵜飼(航丞)と中京大中京で同級生だった伊藤(康祐)は、バッティングが井端(弘和)のようなタイプですね。高松(渡)のような足のある選手もいます。長打力があるバッターを育てることも緊急の課題ですが、広いバンテリンドームで戦うことを考えると、足や小技が使える選手も必要です。だから、すべての選手にチャンスがありますよ。ピッチャーでは、又吉(克樹)が抜けた穴もチャンスですね。

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