ヤクルト高津臣吾監督が真中満に打ち明ける「絶対大丈夫」の裏側。日本シリーズでは「2カ所だけ迷ったところはあった」 (2ページ目)

  • 長谷川晶一●構成 text by Hasegawa Shoichi
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

昨季の日本シリーズについてたっぷりと語った高津監督(左)と真中満氏昨季の日本シリーズについてたっぷりと語った高津監督(左)と真中満氏この記事に関連する写真を見る真中 絶対に優勝できるぞとは思わなかったけど、選手が落ち着いていたし、いい感じだなって思って見ていました。マジック3からしばらくの間、足踏みが続いた時はどんな心境だったんですか?

高津 最初にマジック11がついたときも、僕はこのままスムーズに勝てるとは思わなかったですね。マジック3くらいの時は阪神が負けない。うちはあまりいい状態じゃなかった。指揮を執る身としては不安ばかり先立っていましたね。

【絶対大丈夫ーー「選手たちに弱気は見せられない」】

真中 選手たちには「絶対大丈夫」と言いつつも、監督としては不安を抱えつつ、選手に発破をかける感じだったんじゃないですか? 2015年、僕が優勝した時も内心では、大丈夫かなって不安に思っていたけど(笑)。それが監督というものですよね。高津監督もそうだったんじゃないですか?

高津 選手には「しっかり戦えば大丈夫だから」とは言いつつ、自分に言い聞かせる部分もあったかも(笑)。内心では、そう簡単にはいかないと思っていたし、絶対にこのあと、もうひと山あるぞと思っていましたからね。とはいえ、選手たちに絶対に弱気は見せられないし、「オレらは大丈夫だよ」っていう雰囲気作りは意識していましたよね。

真中 結果的に10月26日にセ・リーグ優勝を決めました。1年間戦ってきて、選手たちに対する印象は何か変わりましたか?

高津 強くなりましたね。精神的にも、肉体的にも。多少、痛いところがあったり、休みたい時があったりしても、ちょっとやそっとじゃ音を上げなくなりました。こちらとしても、1年間フルに戦えるように適度に休みを入れるようにしたけど、選手たちがシーズンを通じて頑張ってくれたのが勝ちきれた要因。技術面もそうだけど、メンタル面がすごく強くなったと思いますね。

真中 以前よりも、選手たちが大きく見えたわけですね。

高津 本当に大きく見えた。村上(宗隆)や(山田)哲人、スコット(・マクガフ)はオリンピックにも出て、それで最後まで完走したわけだから、本当にすばらしいと思う。その時は言えなかったけど、本音を言えば、「もし負けたとしても、これだけ一生懸命頑張ったんだから納得できる」って、僕自身は思っていましたね。

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