栗山監督に問う「大谷翔平、ダルビッシュ有、山本由伸...侍ジャパンのドリームチーム結成はあるか?」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Sano Miki

── ピッチャーとして、あるいはバッターとして、別々に考えることもあり得ますか。

「まずは2人とも呼びます。ピッチャーの翔平とバッターの翔平の両方に声をかけます。ただ、両方やってもらったほうがいいのか、どちらかだけのほうがいいのかというのは、ほかのメンバーとの兼ね合いもありますから......来てくれるなら、ピッチャーのなかの1人にもなってもらえるし、バッターの1人にもなれる、そういう存在だと考えています。

 2017年の時(ピッチャーとして選ばれながら右足首痛で辞退)もいろいろ翔平と話しましたが、彼は野球が大好きで、強いものと勝負してやっつけたい、うまくなりたいということを誰よりも思っている選手ですから、WBCでもメジャーリーガーたちをやっつけたいという気持ちを持ってくれていることは十分、理解できています」

【アメリカ行きが最低条件ではダメ】

── 今回も1次リーグ、2次リーグが日本での開催で、準決勝、決勝がアメリカという流れになるはずです。つまり決勝トーナメントへの進出を決めてアメリカへ渡った途端、初戦が準決勝となります。メジャーの球場という慣れない環境での初戦でいきなり力を発揮することの難しさは第3回、第4回大会での準決勝が物語っていますが、そこをどう乗り越えようとお考えですか。

「まず、アメリカへ行くということが最低条件になってはいけない、という危機感は持っています。何としてもアメリカまでは行きたいとみんなが思うわけじゃないですか。そりゃ、そうでしょう。僕だって、アメリカまで行けたらホッとするだろうし、もしアメリカへ行けなかったらと思うと、怖くて眠れない。でも、そこに価値観を見出していたら、準決勝を勝ちきれません。

 メジャーリーグをやっつけるには優勝しかないという雰囲気にしておかないと、『ああ、アメリカまで来られた』という空気になってしまいます。そのためにも、アメリカに行って初めて、『さあ、ここからが本番ですよ』と考えられる日本人のメジャーリーガーたちが必要なんです。彼らはアメリカこそが『オレの本拠地だ』と思えるはずなので、そこには重きを置かなければと思っています」

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