FA移籍の又吉克樹、人的補償の岩嵜翔は「win-win」の関係になれるか? 成功だった過去3例 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Kyodo News

 一方、和田は36歳での移籍だったが、中日でも主力打者として2010、2011年の優勝の原動力となった。

 また、現役時代通算2050安打を記録している和田だが、西武時代の11年間で1032安打、中日でも8年間で1018安打と、史上3人目となる両リーグ1000安打の快挙を達成した。

 2007年オフに広島から阪神にFA移籍した新井貴浩。その人的補償に指名されたのが赤松真人だった。移籍初年度の2008年に2試合連続"初回先頭打者"を含む、3試合連続本塁打を記録。

 2010年には本塁打性の打球をフェンスによじ登って好捕。このスーパーキャッチもあって、この年ゴールデングラブ賞を獲得するなど、広島に欠かせない戦力となった。しかし、2016年オフに胃ガンが発覚して、2019年に引退を余儀なくされたが、2016年に25年ぶりの優勝を味わえたことは最高の思い出になったに違いない。

 新井は、2009年から3年連続全試合出場と80打点以上を果たすなど、阪神移籍後も主軸として活躍。しかし2014年オフに規約を上回る大幅減俸の提示を受けると、自由契約を申し入れ退団。その後、広島が獲得に動き、8年ぶりの古巣復帰となった。復帰後はチームの精神的支柱として2016年からのリーグ3連覇に貢献した。

 はたして、又吉と岩嵜は"win-win"移籍となるのか。ともにタイトルを獲得した経験のある実力者だけに、その期待は大きい。

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