バレンタインが語るメッツ時代の新庄剛志と監督就任への期待。「彼より守備のうまい外野手はいなかった」

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • photo by UPI/AFLO

 メッツやロッテなどで指揮を執ったボビー・バレンタインは、日本ハムの "ビッグ・ボス"こと新庄剛志の監督就任を大歓迎する。

「すばらしいニュースです」と、バレンタインはコネチカット州スタンフォード市にある自宅で新庄について語ってくれた。

メッツ時代の2001年に監督、選手として一緒に戦ったバレンタイン(写真左)と新庄剛志メッツ時代の2001年に監督、選手として一緒に戦ったバレンタイン(写真左)と新庄剛志この記事に関連する写真を見る

【新庄は優秀なイベンター】

「日本の野球にとってもいいことですし、アメリカの野球にもいい影響を与えてくれると思っています。新庄は優秀なイベンターですが、野球を愛していますし、ファンの関心を高めながら指揮を執っていくと思います。彼は野球界を盛り上げながら采配できる数少ないひとりでしょう」

 そのバランスの大事さを、バレンタインは誰よりも理解している。ある試合で退場になったあとヒゲをつけてベンチ入りしたり、ベンチの上で社交ダンスをしたり......そうした演出をすることもあったが、それだけではない。

 6年連続負け越していたメッツを立て直し、2000年にはワールドシリーズまで導いた。ロッテの監督時代も、2005年に31年ぶりとなる日本一を達成した。

 監督就任会見の動画を見ていたバレンタインは、ワインレッドのジャケットにパンツ、特大襟の白いシャツで登場した新庄の姿について、次のように語った。

「カッコいい登場でしたね。あの派手な姿を見てうらやましくなりました。同じ洋服を着る自信があったら、自分もその格好で会見に登場したいなと思いました。新庄の雰囲気やカッコよさは、球界に新風を吹き込んでくれる。彼は明るく、一緒にいるのは楽しかった。ただ、指導する期間が短すぎたことは、本当に残念でした」

 2000年にワールドシリーズに進出したメッツは、オフに戦力補強のため日本からFA権を行使した新庄と契約した。同じユニフォームを着たのは2001年の1年だけだったが、ボビーが2004年からロッテの監督になると同時に、新庄も日本ハムの選手として日本球界に復帰。現役引退する2006年までライバルとして戦った。

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