「セよりパのほうが100%レベルが高い」元DeNA監督のラミレスが断言する理由【2021年人気記事】

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

【「セ・リーグよりも、パ・リーグのほうが100%レベルが高い」】

 新型コロナウイルスによって、昨年の交流戦は中止となった。もし、予定どおりに交流戦が行なわれていたとしたら、どんな心境で、どんな作戦で臨むつもりだったのか。この質問に対しても、ラミレス氏の言葉は意外なものだった。

「監督時代の私は、交流戦前には選手たちに必ず『交流戦は5割を目指そう』と言っていました。つまり、"勝率5割で御の字"という考えです。パ・リーグを相手に戦う交流戦は、通常のレギュラーシーズンよりもずっとタフな戦いを強いられますから」

 この発言の裏には「セ・リーグよりもパ・リーグのほうが強い」という意識が見え隠れする。この点について問うと、ラミレス氏はキッパリと言った。

「セ・リーグよりも、パ・リーグのほうがレベルが高いというのは、100%間違いないですね。そもそも、毎年交流戦ではパ・リーグチームが上位を占めるし、セ・リーグのチームで勝率5割を超えるのは、せいぜい2チーム程度しかない。ならば、確実に勝率5割をキープできれば、レギュラーシーズン再開後、セ・リーグ内においてジャンプアップできるんです」

「交流戦は勝率5割で御の字だ」と考えているからこそ、先発投手のローテーションについても、対策を講じることになる。

「たとえば、週末にビジターでソフトバンク3連戦が控えているとします。相手の先発投手予想では150キロを超える速球派がズラリと並んでいる。一方で、火曜日からは横浜スタジアムで楽天3連戦が控えていて、少し実力が劣る相手投手のローテーションが予想されているとする。そう仮定した場合、『もしかしたら(楽天に)3連勝できるかもしれない』となれば、確実に勝利を得るために、日曜日に登板予定の投手をあえて火曜日に登板させるということはしばしばありました。もちろん、決して日曜日の試合をあきらめたというわけではないけど、それも作戦のひとつでした」

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