「セよりパのほうが100%レベルが高い」元DeNA監督のラミレスが断言する理由【2021年人気記事】 (2ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

【パ・リーグのキャッチャーは徹底的にインコースを攻めてくる】

 さらにラミレス氏はパ・リーグの特徴として、「インコースを徹底的に攻める」というキャッチャーの配球を指摘する。

「私が現役の頃から、交流戦においてもパ・リーグのキャッチャーはインコース中心の配球をしていましたし、その傾向はいまだにあるのかなと思いますね。パ・リーグのピッチャーはストレートにすごく自信を持っています。ということは当然、キャッチャーも自信を持っているので、かなりインコースのストレートを多用できます。仮にツーボールノーストライクでも、パ・リーグの場合は平気でインコースにストレートを投げてきます。逆にセ・リーグの場合は、ストレートに自信がないからなのか、外にかわすというのか、アウトコースにシンカーとかツーシームを投げることが多いですね」

 現役時代、ヤクルト、巨人、DeNAに在籍していたラミレス氏は生粋のセ・リーグ育ちだ。彼は当時から「セ・リーグの投手は内角攻めが非常に甘い」と感じていたという。DeNA監督時代に出版された『CHANGE!』(KADOKAWA)には、次のような記述がある。

「元打者として言うと、内角球を打つのは実に難しい。仮に次のボールが内角に来るとわかっていても容易ではないのだ。これに加え、投手がなかなか内角攻めをしてこないとなれば、いつまで経っても内角球を打ち返す力は育ってこない」

 打者にとって「内角球を打つのは実に難しい」から、パ・リーグ投手は当然のごとく、自慢の速球で打者の内角を徹底的に攻める。しかし、セ・リーグ投手陣はパ・リーグに比べてストレートの球速が劣るので、コントロールミスによる痛打を恐れてなかなか内角を攻められない。それが、ラミレス氏の見立てだった。

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