ラミレスはヤクルト高津臣吾監督の投手起用を大絶賛。ただ、「セがパに追いついたと言うにはまだ早い」

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

【疑問の残るオリックス・中嶋聡監督の継投策】

―― 一方のオリックス・中嶋聡監督の投手起用についてはいかがでしょうか?

ラミレス 前回も言ったように、リーグナンバー1、ナンバー2である山本由伸、宮城大弥に初戦、第2戦を任せるというのは当然のことだったと思います。両先発投手は見事に実力を発揮して試合を作りました。でも、リリーフの起用法については疑問が残りました。

――どんな点に疑問が残ったのでしょうか?

ラミレス たとえば第4戦では先発の山崎颯一郎が降板した後に、右の増井浩俊が2/3イニングを投げて、続いて同じく右の比賀幹貴が1/3を投げました。左投手を挟まずに、右投手を続ける場面は他にもありました。相性を考慮したりデータがあったりしたのかもしれないけれど、投手の気持ちの中には「何でオレなんだろう?」という思いもあったのではないか? そんな疑問点はありましたね。

――結果的にはヤクルトの4勝2敗という成績で、日本シリーズは幕を閉じました。シリーズの行方を決める分岐点となったシーンはありますか?

ラミレス ヤクルトもオリックスもよく似たチームだったと思います。その中でヤクルトは相手のミスにうまくつけ込むことができた。シリーズ全体を通して見ると、第2戦の高橋奎二の完封が大きな分岐点になったと思います。1戦目でイヤなサヨナラ負けを喫していたヤクルトにとって、第2戦を落とすと、シリーズの流れは完全にオリックスに傾いていたはず。高橋のプロ初完封は単なる一勝ではなく、ヤクルトが勢いを取り戻す大きな勝利でしたね。

――ラミレスさんは「パ・リーグの球団は全体的に左投手を苦手としている」とよく発言していますね。

ラミレス その傾向はこの日本シリーズでも見られました。第2戦の高橋、第4戦の石川相手にオリックス打線は苦戦し、翻弄されていました。だから、私は第6戦に石川をベンチ入りさせて、ブルペン待機させても面白いと考えていました。前回登板では77球しか投じていないので、第6戦でリリーフ登板しても問題なく抑えたと思います。

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