ヤクルト復帰もつらそうだった岩村明憲。「その気持ちはわかるけど...」八重樫幸雄が送ったアドバイスとは? (2ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

【プロ向き、メジャー向きの強気な性格、人間性】

――人間的、性格的にはどんな人なんですか?

八重樫 プロ向きの性格ですよ。どんどん自分から前に出ていくタイプですから。ただ、それによって他人との摩擦が生じる可能性があることには、多少の心配がありましたけどね。思ったことをすぐに口に出してトラブルになったこともありましたよ。

――でも、それぐらいの勝気な性格でなければメジャー挑戦もしないでしょうね。

八重樫 メジャーリーグへの憧れは、何度か聞いたことがありましたね。それを聞いた時に、「あぁ、やっぱりガンは性格も、野球観も、普通の選手とは違うんだな」と思いました。視線が常に外に向いているし、向上心も強い。冒険心もある。当時の岩村の実力と、この強気な性格があれば、「メジャーでも意外とやれるかもしれないな」という期待はありました。

――2007年に渡米し、当時のタンパベイ・デビルレイズ(現レイズ)を皮切りに、ピッツバーグ・パイレーツ、オークランド・アスレチックスに2010年まで在籍しました。

八重樫 メジャーでは二塁手として、ランナーとの接触プレーに悩んでいた感じでしたよね。ランナーの激しいスライディングでひざを故障したけど、あれがなければもっとメジャーでプレーできたと思うし、もっと結果も残せていたと思います。その点は本当に残念でした。

――2011年には楽天で日本球界に復帰。そして、2013年には古巣であるヤクルトに復帰します。この頃の岩村さんにはどんな印象がありますか?

八重樫 彼がヤクルトに復帰した頃には、僕はスカウトになっていたからグラウンドではもう接点はなくなっていましたね。ただ、神宮で学生野球を見ている時に、たまたま彼が早めに球場入りしていて、何度か会話をしたことはありました。

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