ヤクルト高橋奎二の完封劇はなぜ生まれたのか。吉見一起が説いた投手心理と勝負どころの1球 (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Kyodo News

 僕は現役時代、「120球投げたとしても、1球の失投で負けたら意味がない」と散々言われました。先発ピッチャーは全部が全部、狙ったところに投げられないですし、ミスは絶対にあります。

 この試合の宮城も勝負どころでの甘い1球が負けにつながった。彼はもっともっと上を目指すピッチャーだと思うので、僕が言われた言葉をそのまま贈りたいです。こうした大きな試合こそ、"ここぞ"という場面で投げミスをしないことが大事になります。

 2戦を終えて1勝1敗のタイになりました。ヤクルトは奥川(恭伸)、高橋と若いピッチャーが堂々のピッチングを見せてくれました。3、4、5戦目は彼らよりも年上のピッチャーが投げると思いますが、刺激を受けて「負けてられない」と感じるはずです。本拠地の神宮ではなく、東京ドームでの戦いになりますが、後攻めという優位さはあります。僕の目には、ヤクルト有利に見えますね。

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