「これが20歳のピッチング!?」と解説者たちも絶賛。ヤクルト奥川恭伸の投球術はまるで全盛期の桑田真澄 (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Koike Yoshihiro

 投球術のうまさについて、解説者の秦真司氏は往年の名投手を引き合いに出す。

「一つひとつのボールにしっかりとした意図があって、逆算してバッターを仕留めているイメージがあります。ただ投げるのではなく、しっかりピッチングしていますし、マウンドでの立ち居振る舞いも高卒2年目の投手には見えない。ストレートの伸びや変化球のキレ、制球力の高さは全盛期の桑田真澄を彷彿とさせます」

 驚異的な成長を続けている奥川だが、これから取り組むべき課題はなんなのだろうか。前出の建山氏が言う。

「あえて今の奥川に足りない部分があるとすれば"経験"だと思います。ただこれも今のピッチングを続けていけば自ずと経験は積めますし、実際、この前のCSファイナルで投げ、今回の日本シリーズもマウンドに上がるわけですから、まったく心配していません。おそらく来年はエースとしての働きが求められます。相手エースとの投げ合いも多くなるでしょうし、中6日のローテーションで投げなければいけなくなる。そうなった時にどんなピッチングができるかでしょうね」

 プロ野球選手にとって最高の舞台である日本シリーズ。そこで20歳の奥川はどんなピッチングを見せてくれるのだろうか。一挙手一投足から目が離せない。

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