「ネクスト・ラオウ」は誰だ? プロ球界に眠る未完の大砲候補たち (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

 だが、近年は三軍で主砲として存在感を見せ始めており、今季は二軍で44試合に出場して4本塁打を放っている。依然として物足りない数字ではあるものの、6年間かけて階段を一段一段と上がってきたのは興味深い。その豪快なアーチには「もっと華やかな舞台で見たい」と思わせる力がある。

 チーム内にはリチャードを筆頭に、野村大樹、井上朋也ら右の強打者候補がひしめく。競争は厳しいが、それでも黒瀬のブレークの希望は捨てがたい。1年1年積み上げてきたものを爆発させることができれば、オリックス・杉本を超える立身出世ストーリーになるはずだ。

 今回紹介した選手のなかから「ネクスト・ラオウ」は現れるのか。それとも意外な伏兵が花開くのか。いずれにしても、「宝の持ち腐れ」ではあまりにもったいない。ひとりでも多く、杉本に続く大砲が出現することを願わずにはいられない。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る