巨人・亀井善行が語るプロでの一番の衝撃と忘れられない会心の一打。「ホームランを狙って打席に入った」 (3ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

 ただ、足りない部分を自覚しながらそれを高めてこられた経験は、僕にとって大きな財産です。今のプロ野球、巨人だけでなく若い選手たちのレベルも上がっているので、後輩たちには僕ができなかったことを実現してほしく、引退のメッセージとして"心技体"の話をしました」

――若手選手のレベルが上がっているという話が出ましたが、今季のルーキーたちの活躍についてどう見ていましたか?

「何年かプロでプレーしたのか、と感じる選手ばかりですね。打者の中では、DeNAの牧(秀悟)選手は中央大学の後輩にあたるんですけど、体はしっかりしていて、打率3割、4番も打つなどしっかり結果を残しました。僕のルーキー時代では考えられません(笑)」

――亀井さんは打撃だけでなく、2009年にはゴールデングラブ賞を獲得するなど守備に関しても高い評価を受けていました。守備で意識していたことはありますか?

「僕は主に外野を守っていましたが、ポジショニングの大切さ、"見えない守備"というんですかね。そこは若い選手たちにも伝えていけたらと思っています。

 こだわっていたのは、相手の2塁打を極力減らすこと。打球が2塁打になるコースは、主にレフト線、左中間、右中間、ライト線の4つありますが、外野手3人でそのすべてを守るのは無理です。だから『4つのうち3つのコースに絞り、そこに飛んだボールは極力シングルヒットにできるようにしよう』と他の外野手とも話していました」

――具体的に、どのように守っていたのでしょうか。

「データを活用して、ピッチャーやバッターの特徴を理解した上で、どの3つのコースを守るかを決めてポジショニングを取っていました。データと違う打球がきたらしょうがないですけど、それで2塁打を減らせたら、ピッチャーを助けることができる。そう思って守っていました」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る