八重樫幸雄がヤクルト優勝に「おめでとう!」。高津臣吾監督の手腕と雰囲気づくりを大絶賛 (3ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Kyodo News

【プロ4年目、村上宗隆の存在感の大きさ】

――シーズン終盤になって、アルバート・スアレス投手、田口麗斗投手を先発からリリーフに配置転換しました。このあたりの高津監督の勝負勘についてはどう見ていますか?

八重樫 臣吾自身も先発からクローザーに配置転換されたから、「誰がリリーフに向いているか?」というのを見極める目を持っているんだと思います。野村さんが臣吾をリリーフにした時には「先発では難しくても、ひとつ球種をマスターすれば短いイニングなら通用する」と言っていました。その前提にあるのはコントロールのよさ。スアレスも田口もフォアボールで大崩れするタイプじゃない。そのあたりを伊藤智仁ピッチングコーチと相談しながら見極めたんでしょうね。

――選手への気遣いあるコメントや思い切った配置転換など、高津監督の手腕がすごく光っていますね。

八重樫 さっきも言ったけど、メジャー、韓国、台湾、日本の独立リーグ......。それだけ経験している名球会投手はいないですよ。それに彼はアマチュア時代にはなかなかエースになれずに、常に「二番手投手」という存在だった。控えの人の気持ちもよく理解していて、二軍監督として、現在の若手選手たちのこともよく知っている。トップの気持ちも、若手の気持ちも理解できるのは、すごい強みだと思いますよ。

――昨年は断トツの最下位でした。今年の躍進の要因は何でしょうか?

八重樫 今まで投手陣の話ばかりしてきたけど、僕は今年のヤクルトの強さは村上(宗隆)にあると思います。プレーはもちろん、プレー以外のすべてで、彼はチームに好影響をもたらしていますね。とにかく必死にプレーしている。いつも全力プレーをしている。その気持ちが、「オレたちも必死にやらなくちゃ」と青木や山田(哲人)にも影響して、両外国人選手にも伝わっている。そんな気がしますね。

 とにかく、ヤクルトナインのみんな、優勝おめでとう! 本当に嬉しいよ。

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