立浪和義で3人目、意外に少ないPL出身NPB監督。次の監督候補は誰だ? (3ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Kyodo News

 そのロッテOBで言えば、サブロー(大村三郎/45歳/1995年卒)と今江敏晃(38歳/2002年卒)も将来的に監督になる可能性を残しているだろう。ふたりとも今は楽天に所属し、サブローはファームディレクター、今江は二軍打撃コーチを務めている。楽天で監督就任への道が開かれたとしても不思議はない。

 その楽天で2019年にPL出身ふたり目のNPB監督になった平石は、チームを3位に導きながらも石井一久GM(2021年から兼任監督)体制に移行して監督の座を追われ、現在は福岡ソフトバンクで一軍打撃コーチを務めている。松坂世代で最初に監督になった平石が将来、再び指揮官になる可能性は十分にある。

「4人目のPL出身NPB監督」に最も近いのは、西武の松井稼頭央ではないだろうか。

 西武入団3年目の1996年にレギュラーとなり、2002年にはトリプルスリーを達成するなどして、2004年に日本人内野手で初めてMLBデビューを果たした。2011年から楽天でプレーしたが、2018年に古巣・西武に復帰し、この年かぎりで現役引退。翌年から西武二軍監督を務める。将来的な監督就任は既定路線とも言われており、2022年は一軍ヘッドコーチに就く予定とされている。

 一方で「4人目」から遠ざかったのは宮本慎也だろうか。

 2013年の引退後は解説者を経て、2018年〜2019年と古巣ヤクルトで一軍ヘッドコーチを務めた。監督就任への布石と見られていたが、小川淳司監督が成績不振で退任すると、次期監督に推す声があるなかで宮本も責任を取って辞任した。

 プロ野球に限らずJリーグなどでも、監督を支える立場のコーチが翌年からしれっと指揮官に昇格しているケースは少なくない。だが、宮本はそれを潔しとはしなかったようだ。ただ、今年ヤクルトは高津臣吾監督のもとで奇跡のV字回復。宮本がPL学園や野村克也監督のもとで学んだ抜け目のない野球観をヤクルト監督として披露する機会はしばらくお預けかもしれない。

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