史上最長の12年連続ドラフト指名。なぜ明治大から多くのプロ野球選手が輩出されるのか (3ページ目)

  • 中島大輔●文・写真 text & photo by Nakajima Daisuke

 足を生かした守備範囲の広さと強肩を兼ね備える丸山は、走塁技術も磨いて3年生の秋には全試合に先発出場する。そして最終学年を迎えるにあたり、田中監督はより成長できる環境を用意した。

「去年までは、DeNAに行った入江やキャプテンの公家(響/現・大阪ガス)のあとについて回るなど、本当にやんちゃな次男坊だったので、チームのキャプテンをやらせるかどうか、ちょっと迷いました。でもキャプテンになれば、一昨年の森下のように必ずチームをいい方向に持っていってくれる人間だと思いました。人間力の部分がこの4年間の一番の成長です」

 前橋育英で荒井直樹監督から「凡事徹底」をたたき込まれた丸山は、明大を主将としてチームを引っ張り、今年春のリーグ戦では打率.357を記録する。そして秋、ヤクルトからの指名を射止めた。

 田中監督によれば、すでに足と守備はプロのレベルに達している。一般的に外野手の場合、一定以上の走力と守備力を誇れば、試合に起用してもらうチャンスを得やすい。

 たとえば八戸大学から2010年ドラフト3位で西武に入団した秋山翔吾(現シンシナティ・レッズ)は、1年目は打率.232に終わったものの、守備と足を買われて110試合に出場した。そして打席で経験を重ねることで打力を磨いていき、日本球界きってのヒットメーカーに成長し、メジャーリーグへ巣立った。

 プロ入り前から一定レベルの走力と守備力を備える丸山も同様に、早いうちからチャンスを得られるだろう。大学4年間で野球選手としての土台を整えた左打者は、今後の飛躍をこう見据えている。

「自分の持ち味は守備範囲だったり、肩や足なので、まずはそこでミスをせずにしっかりプレーできるように。一番の課題はバッティングです。バットに当たらないことが多いので、しっかりミート力を上げていけるように。自分に求められているのは相手に嫌なバッティングをすることだと思いますけど、今は3番を打っているので、役割としてはランナーを還すことが多くなってきます。そこでしっかり結果を出せればいいと思います」

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