ヤクルト真中満監督の勘違いドラフトの裏側。フロント陣は「髙山俊に連絡だ!」から大爆笑 (2ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

【レギュラーとして活躍したから代打で結果を残した】

――以前、若松さんも同じことを言っていました。「現役晩年に代打として成績を残せたのは、レギュラー経験者だったからだ」と。

八重樫 若松さんも、僕も、代打としてある程度の結果を残せたのはレギュラー経験者だったことが大きいと思います。当然、真中の場合もそう。性格的にも技術的にも代打向きの選手でしたね。

――引退は2008年、真中さんは37歳でした。現役晩年の真中さんのイメージはどうですか?

八重樫 真中の最大の特徴はボールをギリギリまで引きつけて軸回転で打つことだったんだけど、故障や年齢のせいでその回転する力が弱くなっていきました。レギュラー選手から代打中心に変わると練習量が減るんです。試合では1打席だけだし、加齢による新陳代謝の低下もあって太りやすくなる。そうなると、回転は鈍くなりますよね。

――体重が増えれば体は重くなるし、キレもなくなると。

八重樫 そのとおりなんだけど、そもそもあの小さな体で、よくあそこまで頑張ったと思います。身長は低い(170cm)んだけど、お尻や太ももは太い。でも、意外に足は小さくてふくらはぎも細いから、足腰への負担は大きかったと思います。守備でも思いきって飛び込むし、体を張ったプレーばかりでしたから、歳を取ってきてそういう負担が一気に出たんじゃないかな?

――ある意味では仕方のないことだったのかもしれないですね。

八重樫 若松さんもそうだったけど、体が小さな選手はそれぐらい精一杯のプレーをしないとプロの世界ではやっていけない部分もあるんでしょう。2007年は代打でいい成績を残したのに、翌年はガクッと成績が落ちた。あの年に体が悲鳴を上げたのかもしれないね。

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