ドラフトは「外れ1位」でも実は大当たり。過去15年で活躍している選手たち

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Kyodo News

 中日に入団した石川が今季は故障で二軍戦出場もままならなかったのに対し、宮城は開幕から一軍で先発ローテーション入りしてリーグ1番乗りでふたケタ勝利。25年ぶりのリーグ優勝に迫るチームを牽引し、新人王レースでも最右翼につけている。

 日本ハムが佐々木の外れ1位で獲得した河野も1年目から戦力になっている。昨季は先発ローテ入りして12試合で3勝5敗。今季は開幕直後から不振で中継ぎ転向になったが、リリーフで28試合に登板して防御率0.29と存在感を示し、後半戦は先発に再転向して安定した投球を見せている。

 佐々木の外れ1位では、楽天が2度目に指名した小深田大翔(大阪ガス)の活躍もめざましい。三拍子揃った内野手との期待どおり、1年目途中からスタメンの座を掴み、2年目の今季はオールスターにも選出された。

 また、2018年ドラフトの外れ1位組にも注目しておきたい。

 報徳学園の遊撃手・小園海斗(広島)を4球団競合の末に敗れたDeNAが獲った上茶谷大河(東洋大)は1年目から中継ぎで躍動。3球団が競合した大阪桐蔭の外野手・藤原恭大(ロッテ)のくじ引きを外した楽天が獲得した辰巳涼介(立命館大)も1年目から即戦力になっている。

 その辰巳の当たりくじを引けなかった巨人は高橋優貴(八戸学院大)を、ソフトバンクは甲斐野央(東洋大)を、そして阪神は近本光司(大阪ガス)を3度目の入札で獲得した。

 高橋は1年目から先発陣の一角に加わり、今季はふたケタ勝利をマーク。甲斐野は1年目から勝利の方程式に不可欠なセットアッパーになった。近本はご存知のとおり不動のリードオフマンとして阪神打線を牽引している。

 ファンにとっても、球団にとっても、ドラフトで望んだ選手の交渉権を手にできることに優るものはない。クジを外せばガッカリするのも理解できる。しかしながら、"外れ1位"や"外れ外れ1位"から多くの選手が大成していることも、どうぞお忘れなく。

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