セ・リーグの新人王は誰か。解説者5人がそれぞれの見解で最有力候補を選んだ (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Spoirtiva
  • photo by Koike Yoshihiro

岩本勉氏(元日本ハム)

 新人王は勝利にどれだけ貢献したのかということも重要になってきますので、優勝したチームの選手が有利になるのではないでしょうか。ヤクルトが優勝するなら奥川恭伸が筆頭候補になるでしょうし、阪神なら佐藤輝明、中野拓夢の名前が挙がってくると思います。

 ただ、栗林良吏(広島)の成績はズバ抜けてすごい! ルーキーで33セーブ挙げることも驚きですが、防御率は0点台ですからね。しかも東京五輪では侍ジャパンの守護神として金メダル獲得の立役者となった。チームは優勝に絡めなかったですが、栗林は存在感を示した。そこはポイントが高いと思います。

 それにしても今年の新人王争いはレベルが高い。数字を比較するといっても、投打で基準が違いますし、先発と抑えもしかりです。そうなると最終的にどれだけインパクトを残せたか......にかかってくるでしょう。そうなると残り試合はわずかとなりましたが、どこまでアピールすることができるのか。いずれにしても、僅差の戦いになると思います。

吉見一起氏(元中日)

 本当に難しいです。投票する記者の方がどこに注目して、どの成績を評価するかによって大きく変わってくると思います。そんななか、私は牧秀悟(DeNA)を推します。ここまで打率.296、22本塁打、67打点を挙げていますが、例年ならダントツで新人王に輝いている成績です。

 牧はとにかくタイミングの取り方がうまく、リスト、背筋も強い。自分のポイントで打てなかった時でもカバーできる体の強さと技術がある。しっかりバットを振れますし、ヒットゾーンが広く、広角に打てるのが魅力です。いい意味で、新人らしくないバッターです。

 牧の対抗になるのは、栗林良吏(広島)だと思います。30セーブ以上挙げたというのは大きなアピールになるでしょうし、シーズンを通してクローザーという過酷なポジションをこなしたことは賞賛に値します。

 シーズン当初は佐藤輝明(阪神)が独走するのかと思いましたが、59打席連続無安打など一気にペースダウン。一方で、牧は最後まで大きく落ち込むことがなかったというか、調子を上げてきました。優勝争いしていれば確実だったと思いますが、プロ1年目の野手が残す数字としては圧倒的だと思います。

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