真中満が好調ヤクルトを分析。阪神、巨人との投手陣の差を指摘し「延長戦があれば、もっと白星は増えた」

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

ーーそこに両外国人選手が加入。オスナ選手が五番に入ることで、昨年来の「5番不在問題」は解決したと言ってもいいでしょうか?

真中
 そうですね。昨年までは5番も含めて、下位打線にいけばいくほど力が落ちていたから、相手にとっては「村上と勝負しなくてもいい」という感じだったけど、5番・オスナ、6番・中村、7番・サンタナが控えていて、相手チームも村上と勝負をせざるを得なくなった。僕は当初、村上を3番にしたほうがいいと思っていたけど、これだけ後ろの5番以降が機能するのなら、村上4番でいいと思いますね。

ーー村上選手は史上最年少での通算100号ホームランを達成。プロ4年目の今季、彼の活躍をどう見ていますか?

真中
 ただただすごいよね。みんなが思うとおりですよ。すごく落ち着いていて、すでにプロ20年目くらいの風格でバッターボックスに立っているし、チームを盛り上げる意思も感じられるし、もはやベテラン選手のたたずまいだよね(笑)。

【青木宣親は、どんなに苦しくてもやる男】

ーー今季から新キャプテンに就任した山田哲人選手についてはいかがですか?

真中 山田については特に変化は感じないですね。山田のプレーは、チームに対する影響力が大きいんです。カッコよく言えば、プレーを通じて「背中で引っ張るタイプ」です。僕としては「キャプテンだから」ということで、キャプテンシーを発揮しようとして空回りするよりは、山田らしく自分のペースでプレーしたほうがいいと思っていたので、今のスタンスというのはちょうどいいと思いますね。

ーー先ほど話に出た青木宣親選手の奮闘はどう考えていらっしゃいますか?

真中 青木は正直、近年にないくらい苦しいシーズンを過ごしていると思いますよ。自主トレ期間中、そして開幕してからと二度の濃厚接触者として離脱。今季は最悪なスタートだったと思います。でも、青木は苦しくてもやるじゃないですか。たとえ数字には残っていなくても、チームのために何かをできるタイプですから。成績は納得がいっていなくても、優勝争いをしている現状を喜んでいると思いますね。数字に変えられない充実感をすごく感じているはずですよ。

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