楽天のドラフト1位は風間球打が狙いか。投手陣の若返りは必須で東北には好投手が目白押し (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

今夏の秋田大会で157キロをマークしたノースアジア大明桜の風間球打今夏の秋田大会で157キロをマークしたノースアジア大明桜の風間球打この記事に関連する写真を見る 風間に不足しているのは、強豪相手の実戦経験だけ。コロナ禍の影響により県外の遠征ができず、東北大会も中止になるなど、自分の実力を試す舞台がなかなか得られなかった。それでも最後の夏は秋田大会を勝ち抜き、甲子園に出場。大舞台で2試合経験できたことは大きな財産となった。

 この夏の秋田大会で157キロをマークして一躍注目を集めた風間だが、特筆すべきは試合後半でも150キロ台を出せる心身の強さ。一見、パワーピッチャーのように見えるが、変化球だけで緩急の組み立てをするなど、ピッチングの楽しみ方を知っている。なにより、速いタテの変化球は間違いなくプロで通用する代物だ。

 風間が先発タイプなら、リリーフには東北福祉大の椋木蓮(むくのき・れん/右投右打)がオススメだ。ここまでほとんどの時間を肩・ヒジの回復にあててきたが、カムバックするたびに150キロを出し、いつも病み上がりというのが信じられないピッチングを見せて、見る者を驚かせてくれる。

 持ち球が豊富なわけではないが、真っすぐタテに落ちるスライダーとツーシームは、わかっていてもとらえるのが困難な"魔球"であり、ここにストレートの制球力が上がれば中継ぎ、抑えで力を発揮するだろう。

 このほかにも、今年の東北には好投手が目白押しである。八戸工大一高の黒田将矢(右投右打)、八戸西の福島蓮(右投右打)、日大山形の滝口琉偉(右投左打)......彼らの能力の高さというのは、今のチームの需要にも合致するはずだ。

 遊撃手なら、総合力で今のレギュラークラスに太刀打ちできるのは、JR四国の水野達稀(右投左打)しかいない。実力は折り紙つきだが、それ以上に「持っている」選手なのである。

 高校から入って1年目の都市対抗で、三菱重工神戸(現・三菱重工West)の好投手・守安玲緒から東京ドームの右中間に一発。四国銀行の補強選手として出場した2年目の都市対抗では、パナソニックの技巧派左腕・榎本亮を攻略。3年目の今季は、日本選手権で三菱重工Westの剛腕・八木彬からサヨナラ本塁打。大舞台で力を発揮する勝負度胸は群を抜いている。

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